whyから始める顧客起点のプロダクト開発

アソビューAdvent Calendar 2022の16日目の記事です。

アソビューCPOの横峯です。

「生きるに、遊びを。」というミッションをもとに事業を展開する弊社が大切にする考えとして「For You 〜すべては顧客のために」というバリューがあります。 コロナ化でもこのバリューを体現し売上95%減からV字回復できたと考えています。

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今日はアソビュー!のPdMの役割も担っている僕が開発現場における顧客起点を実現していくために大切にしていることをお話します。

アソビュー!の開発フロー

まずは開発全体のサイクルから。 弊社はプロダクトバックログを軸にしたスクラム開発を2週間のスプリントで実施しています。

アソビューの開発フロー

プロダクトバックログの優先順位を僕が決め、それをベースにスプリントプランニングを実施しスプリントバックログを作成。 デイリースクラムで各自の状況を確認しながら進め、二週間後にスプリントレビューを実施。 レトロスペクティブを実施して次のスプリントを開始します。

スプリントが始まると細かい仕様の確認のみになりPdMとして関わることはかなり減ります。 メインはスプリント開始前。ここで開発するものの意図、これが顧客にとってなぜ大切だと考えているのかを実際に開発するメンバーにできる限りお伝えしていくことが、その後の実装を進めていく際のディテールに効いてくると思っています。

Whyを伝える大切さ

開発現場においてWhyの重要性はいろんな方が様々文献を出されてると思うので多くは触れないですが、実際に最近あった例をお話します。 アソビュー!で直近、検索機能のアップデートを行いました。

これまでは弊社で契約させて頂いているパートナー(遊びを提供されている事業者)様のみが検索結果に出てくる仕様でした。 事業として売上につながるメインの部分はもちろん直接契約頂いてるパートナー様なので、検索としてはパートナーが見つかれば十分という考え方もできると思います。

そこに非契約の遊びスポットも検索できるようにするようアップデートを行いました。 そのままこれだけお伝えすると売上にほとんどならないような機能開発なので、実際に実装を進める開発者のモチベーションは上がりにくいチケットかなと思います。

ただ、アソビュー!が目指しているのは「日本のすべての人にとってなくてはならない遊び予約サイトになる」こと。 これを実現していくためには、遊びが予約できるだけでなく遊びが見つかることがとても大切とチームに伝え続けてきました。

この戦略を伝え続けたこと。さらにこの機能アップデートに際しては実際にヘビーユーザーである僕自身があるスポットを検索したときに悲しい思いをしたことを開発メンバーに伝えました。特定のスポットが見つからないことによって、次ここで探すモチベーションが失われる。そうなると遊びが見つかるサービスとは思って頂けない。商品がある場合は買いに来ていただけるかもだけど、その前の探す行動をして頂けなくなると伝えました。

その結果、実際に開発を進めていく中で細かい仕様の調整、doneの定義のすり合わせをする際も「まず、この遊びスポットが見つかること」を実現するための最小のやり方で進めることを念頭に開発を進めてくれたと思います。

弊社開発者のメンバーはとても優秀で優しさにあふれてる方ばかりなので細かいところに目が届きます。なので前提の思いが擦り合っていないと、「これもやったほうがいいかな?」「ここも大事そう」とホスピタリティーを存分に発揮してくれて実装が膨らんでいくこともあると思っています。 具体的なシーンと思いを伝え続けることで顧客に対しての価値貢献の方向をPdMと開発者ですり合わせることで、開発チームのパワーを最大限顧客に向けられると思っています。

Whyを伝えるということ

バックログの記載内容、記載の仕方には様々な考え方があると思います。 わかりやすく、開発メンバーにやりたいことを伝えるためにフォーマットを整理し、共通理解のもと実装を進めていただくことはとても大切だと思います。 ただ、どんなに文字での記載を工夫しても伝わりきらない部分が確実にあると思っています。

コミュニケーションにおける言語、非言語での影響度合いは、93%が非言語と提唱されているくらい言語だけで伝わるものは少ないと言われています。
参考:メラビアンの法則

つまり、バックログの記載で伝えられるのは記載者の思いの7%程度と捉えた方がよいと思っています。 そのため、なるべく詳細に一つ一つのチケットに対しての思いを、口頭でオンラインビデオ会議でお伝えする時間を設けています。

僕自身はアソビュー!という事業を含むマーケットプレイスカンパニーのCEOも担っています。 その役割も含め、事業戦略、プロダクト戦略、チケットの詳細をお伝えする機会を以下のように設けています。

  • ユニット会(毎週30分)
    • 各チケットの詳細な背景、Whyを開発メンバーに伝える場。
  • スプリントレビュー(隔週30分 ※PdMが参加してる時間)
    • 実際にリリースしたチケットに対して顧客にどういう価値が提供できると思っているか、できたかをお伝えする場
  • カンパニー会(毎週30分)※カンパニーCEOとしての役割
    • 事業の状況、各チームの状況を全体に伝達
  • キックオフ(Q2h程度)※カンパニーCEOとしての役割
    • 直近から数年後までのカンパニーとしての戦略共有の場

開発メンバーに詳細をお伝えしているのは主にユニット会です。 ここでチケットの背景になってる考え方、それを実現する価値をなるべく詳細にお伝えしています。 たまに番外編として、僕が見てる数字の見方、GA4の簡単な使い方レクチャーなども実施して開発してくれてるメンバー自身が顧客にどういう価値を提供できたかを自ら実感するためのサポートも実施しています。

おわりに

アソビューでは開発メンバー自身が顧客を感じ、顧客のために開発していくことを大切にしています。 今行ってる方法もまだまだ伸びしろがたくさんあると思います。

顧客を感じながら開発を進めることはどんな開発現場でもとても大切だと思います。 弊社のやり方が参考になればうれしいです。他の開発現場でのやり方などぜひ教えてください。

顧客を身近に感じる開発を通じて「生きるに、遊びを。」を実現する仲間を絶賛募集中です! お気軽にお話しましょう!

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