ジョインしてから1年たって自プロダクトQAの課題解決のために実践したこと

2023年7月にジョインした鐘撞(かねつき)です。
現在、販売管理システムのQAを担当しており、QAエンジニアとしてはアソビューが2社目になります。 ジョインしてから1年が経ち、自プロダクトQAにおける課題解決のために実践したことを紹介します。

▼過去のQAチームの記事
https://tech.asoview.co.jp/entry/2024/06/14/111028 https://tech.asoview.co.jp/entry/2024/08/09/134434 https://tech.asoview.co.jp/entry/2024/10/29/150445

アソビューの販売管理システムとは?

販売管理とは、アソビューで販売している電子チケットやアクティビティ予約の決済額や売上(手数料)を集計し、顧客へ提出する請求書・支払通知書を発行し、入出金管理を行うものです。 アソビューの販売管理システムについて詳しいことは、以下の記事も参考にして下さい。 https://tech.asoview.co.jp/entry/2022/08/03/135204

QA課題1:質問や疑問をテキストベースで伝えていたが、内容が伝わりにくいタスクもあり、解決に時間がかかる

課題

ジョインしたての頃は、ドメイン知識が不足している中で、質問や疑問をテキストベースで伝えていました。 その結果、多くのコメントのやり取りを繰り返し、時間がかかりながらも、何とか自分が伝えたいことを理解してもらうことができました。

簡単な質問についてはテキストで問題ないと思いますが、対して、複雑な条件やUI操作に関する質問など、その内容が伝えづらいケースでは、テキストベースだけではこちらの意図を理解してもらうことに限界がありました。

また、伝えづらいまま無理に行ってもお互いに作業工数が取られてしまいますので、他に適切なコミュニケーション手段があるのではないかと考えました。

実践

前職で、一部のQAが開発メンバーと画面共有しながらテストケースを作成したり、開発メンバー同士で実装を行っていたことを思い出しました。
朝会などでメンバーが集まる機会に画面共有を活用したコミュニケーションが、自プロダクトにおいて疑問解決に役立つのではないかと考え、実践してみることにしました。

画面共有を活用することで、テキストでは伝えにくい操作や画面の表示内容を正確に伝えることができ、相互の認識を合わせることが可能になりました。
その結果、疑問や質問の解決までの時間が短縮されました。
また、時には雑談レベルでプロダクトについてお話しすることもあり、その際にプロダクトの詳細や仕様書に記載されていないちょっとした仕様について知ることができるため、今後もこの取り組みを続けていきたいと考えています。

QA課題2:集計機能のテスト準備にかかる手間を軽減しつつ効率を高めたい

課題

自プロダクトの販売管理におけるテストの一つとして、売上集計のテストがあります。
これは、テスト環境にて旧バージョンと新しくリリースするバージョンで同じ月の売上を集計し、集計値に差異がないかを確認するテストです。
テストの網羅性を簡易的に広く確保するためには、どのような方法が良いかで考えだした方法になります。

ただ、売上集計機能はシステムの中でも重要な機能の一つであるため、より効率的で妥当性の高いテスト方法があるのではないかと、チームのメンバーと相談しました。

実践

ある開発メンバーから、毎月集計している本番相当のデータ(※1)と、修正したアプリケーションで集計した結果が完全一致していれば、ほぼすべてのテスト因子はカバーできていることを確認できるので、本番レプリカを用意したデータベースで集計した結果を照合すればテストの効率を上げられるのではないかと提案をいただき、本番相当のデータベースと環境を準備していただきました。

本番相当のレプリカ環境でテストを実施することにより、テスト環境での集計よりも妥当性の高いテストが毎月行えるようになりました。
メンバーの提案の通り、さまざまなテスト因子を一気にテストすることができるため、作業効率もあがり、システムとテストの両方の品質が向上しました。

※1:本番データに対して、個人情報や企業情報などをマスクしたデータを使用しています

QA課題3:本番相当の環境で全体集計すると時間がかかってしまう

課題

売上集計のテストを実施する上で、もう一つの課題がありました。
テスト環境でも同様ですが、本番相当の環境には大量の売上データが存在するため、全体集計を行うと大幅な時間を要することです。
場合によっては、集計に1日かかることもあります。

また、集計処理中は他の機能が操作できなくなるため、他のメンバーが検証作業を行うことができなくなってしまいました。

この課題を解決するには、全体集計ではなく、あらかじめ以下のテストしたい因子ごとに集計対象をピックアップし、集計を実施すれば、時間短縮につながるのではないかと考えました。

  • 購入データが大量にある施設
  • 特殊なキャンセル売上がある施設等

実践

データベースからテスト因子を網羅するための施設を数種類ピックアップして集計を行いました。
因子を指定しない全体集計よりも、ピックアップした因子を集計する個別集計の方がはるかに実施時間が短縮されました。
この方法により、1日作業が数時間で検証を完了でき、工数削減につながりました。

また、集計処理中に検証作業を待たせる時間も短縮され、他のメンバーの作業もスムーズに行えるようになりました。

さいごに

今回は課題解決のために実践したことの一部をご紹介しました。
個人的には、まだまだQA業務には課題が残っていると感じています。
例えば、リグレッションテストの記載内容やテストケースの数が増加しているため、テスト項目の選定をしてテスト実施の負担を減らすこと、などがあります。
課題解決のために、自プロダクトのドメイン知識を向上させるとともに、開発メンバーと話し合いながら解決策を見出し、プロダクトの品質向上に努めていきたいと考えています。