こちらの記事は、アソビュー! Advent Calendar 2024の20日目(裏面)です。
はじめに
アソビューの新規事業開発チームでスクラムマスターをしております、川又です。
突然ですが皆様、2024年のふるさと納税はお済みでしょうか?
アソビューでは「アソビュー!」「ウラカタ」に次ぐ第3の主要サービスを目指し、新規事業として「アソビュー!ふるさと納税」を展開しております。寄附をすることで、アソビュー!で使えるクーポンや、レジャー施設やスキー場で今すぐ使えるチケットが返礼品として今すぐ受け取ることができます。
このふるさと納税事業も、サービスローンチから早1年が経過いたしました。このサービスを立ち上げるまでの開発秘話は、昨年のAdvent Calenderで執筆しておりますので、気になる方はチェックしてみてください!
エンジニア1人で新規事業を5ヶ月でローンチさせるために意識した3つのこと - asoview! Tech Blog
またクリスマスに向けて、友人やご家族、恋人への贈り物でお困りではないでしょうか?そんな時には、同じくアソビューの新規事業である「アソビュー!ギフト」で遊びをギフトとしてプレゼントしてみてはいかがでしょうか!レジャー施設チケットやサウナ体験、アフタヌーンティなど、外で特別な体験ができるギフトはもちろん、グルメや子供と遊べる体験キットなど、おうちで体験を楽しめるギフトも取り揃えております。
さて、いきなり冒頭でサービス紹介をしてしまいましたが、私が所属する新規事業開発チームではふるさと納税事業に加え、7月からギフト事業も開発・運用を担当しております。開発、事業部ともに少数精鋭ではありますが、両プロダクトのグロースに向けて開発を進め仮説・検証を繰り返すためには、開発メンバーと事業部メンバーとの密なコミュニケーションが不可欠です。
そこで本記事では、ふるさと納税事業部メンバー・ギフト事業部メンバー・新規事業開発メンバー全員でチームを組みスクラムイベントを実践した事例をご紹介したいと思います。
チーム構成
チーム構成は以下図の通り、開発メンバー3名、事業部メンバー5名の計8名です。
ふるさと納税事業のみを担当していた時期から比べると4名増えましたが、エンジニアと一緒に事業部を担当した経験が少なく、スクラムというアジャイル開発手法があることも知らないメンバーがほとんどでした。
「ふるさと納税事業」と「ギフト事業」、一見すると何も関連性のない事業に見えますが、一番大きな共通点はECプラットフォームとしてShopifyを活用していることです。エンジニアだけでなく事業部メンバーも日々Shopifyを活用しますし、サイト集客やCVR向上などのマーケティング施策において共通の課題が出てくるのではないかと考えました。
そこで新規事業開発チームと各事業責任者(プロダクトオーナー)と2事業別々でスクラムイベントを行うのではなく、事業部メンバー全員を巻き込み新規事業チームとして一緒にスクラムイベントを実施することにしました。
スクラムイベントを実施してみた
あらかじめギフト事業部メンバーにはスクラムに関する簡単な知識をインプットしてもらい、いざ一緒にスクラムイベントを実施してみました。スクラムイベント毎に、どういう進め方を実施したのかご紹介します。
スプリントレビュー
スプリントレビューでは「ドヤ会」と称し、8名全員がスプリント内で行った成果を発表し合い、賞賛する場としています。開発メンバーが発表する場合は自分が開発した内容を説明しながらインクリメントのデモを行い、事業部メンバーが発表する際には営業進捗や行ったマーケティング施策の内容等を発表してもらいました。
お互いの事業成果を知ることで「とてもいい取り組みですね!こうした方がもっと良さそう」といったフィードバックがもらえたり、「この機能開発、ギフト事業でも効果的なんじゃない?うちでもやろう!」といったように事業戦略を吸収することができます。
スプリントレトロスペクティブ
スプリントレトロスペクティブではKPT(Keep, Problem, Try)を用いて、8名全員でスプリントの振り返りを行いました。
エンジニア・営業関係なく、スプリント内で感じた良かったこと(Keep)、課題だと思ったこと(Problem)を挙げてもらい、課題に関しては現状やあるべき姿をヒアリングした上で、どういうアクション(Try)を取るかを話し合って決めていきます。
こちらが、全員で実施した初めての振り返りボードになります。
赤い枠で囲まれた部分の黄色い付箋がProblemでオレンジの付箋がTryになりますが、見ただけで課題だらけであることがわかります。ギフト事業では運用面に課題を持っており、管理画面の仕様や運用ルールに対するProblemが多く見られました。
管理画面の仕様に対するProblemはエンジニアも交えながら議論を進め、課題の度合いや緊急度によってプロダクトバックログに改善要望を追加し少しずつ改善を行なっていきました。また運用ルールに関しては事業部メンバー全員で話し合う機会を設けていただき、少しずつ運用ルールを改善して行ったり足りないところを補ったりしていただきました。
こちらが、全員で実施して9回目の振り返りボードになります。
Problemが減ったり、あげたものの中でも既に事業部側で議論し対策を打っていてTryが必要ないものが増えました。全員で定期的に振り返りを行うことで、各事業に関わるメンバー全員が課題を見つけて共有しカイゼンする意識を持ち、プロダクトのグロースに向けて少しずつPDCAサイクルを回すことができるチームが出来つつあると思います。
バックログリファインメント
バックログリファインメントは各事業で別れて実施し、事業責任者と開発メンバーが参加します。
新規事業開発チームでは、各事業毎に以下のようなバックログを管理しています。
- スプリントバックログ:今スプリントで取り組むストーリーを置く場所。スクラムマスターが管理者。
- ready:今後1~2スプリントでスプリントバックログに置かれそうな、見積もり済みのストーリーを置く場所。スクラムマスターが管理者。
- プロダクトバックログ:中長期的に取り組むストーリーを置く場所。事業責任者(プロダクトオーナー)が管理者。
バックログリファインメントでは、プロダクトバックログの上位にあるストーリーの背景や内容を事業責任者から開発メンバーにインプットし、readyに移動させる機会としています。その後、別途開発者同士で集まり、ストーリーを実現させるための方法を議論し見積もりを実施していきます。
本来、次のスプリントで実施することを決めたり見積もりを実施するのはスプリントプランニングで行うのが基本だと思いますが、ストーリーをどうやって実現したら良いか考えたり調査を行ったりすると、スプリントプランニングに時間がかかってしまうことがあります。
そこで実現したいストーリーの内容をインプットしてもらい、別途開発者同士で議論し手段の決定や見積もりを実施することで、スプリントプランニングがスムーズに実施できるようになります。
スプリントプランニング
スプリントプランニングは各事業で別れて実施し、事業責任者と開発メンバーが参加します。
あらかじめバックログリファインメントでreadyに上げて見積もりしてあるストーリーから、次のスプリントで実施するストーリーを選択します。
ストーリーを選択する前に、必ず今までのベロシティチャートを参加者全員で確認します。もし片方の事業で今までのベロシティよりも大きな見積もりのストーリーが積まれてしまった場合、もう片方の事業の開発に影響を及ぼしてしまいます。 各事業でそれぞれどれくらいのベロシティを積み上げているのかを確認し、次スプリントのストーリーポイント合計値が現実的な値になるようストーリーを選択します。
選択が終了したら、最後にスプリントゴールを決定し全員で合意します。「どのストーリーを完了させる」といった柔軟性の低いスプリントゴールではなく、「何がどこで実現できるようになる」というように実現させたいストーリーを基準としてスプリントゴールを設定します。
各事業で実施するため、ふるさと納税事業、ギフト事業で別々のスプリントゴールが設定されます。
デイリースクラム
デイリースクラムは開発メンバーのみで実施しています。事業毎に以下のトピックを確認していきます。
- 今回のスプリントゴールを確認
- スプリントゴールが達成できそうか確認
- 今実施しているタスクにおける課題はないか確認
毎日実施しているデイリースクラムですが、各事業のスプリントゴールと達成できそうかを確認することで、常にゴールに向かって進めているかを開発者に自問自答してもらいます。また開発の過程で発生した課題は必ず共有してもらい、チーム全員で解決するにはどうしたら良いかを議論します。
まとめ
今回はアソビューの新規事業開発チームが事業部メンバーとチームを組み、ONE TEAMでプロダクトの成長を目指す中でのスクラムイベントの取り組みについてご紹介しました。
最初は手探りで始めてみましたが、2つの事業がお互い切磋琢磨しながら成長していくチームの姿を見て、一緒にスクラムイベントに取り組んで良かったと感じます。これからも少数精鋭で事業をグロースさせるために頑張りたいと思います。
アソビューでは、サービスをグロースさせるために一緒に事業開発に取り組んでいただけるメンバーを大募集しています!カジュアル面談も実施しておりますので、少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご応募ください! www.asoview.co.jp