自己紹介
こんにちは!アソビューアプリ開発チームの山本です。
6歳と4歳の男の子がおり、週末は家族でお出かけするのを楽しみに仕事を頑張っています!
以前登壇したオンラインイベントにてAIを活用して効率的に準備できるよう試行錯誤したので、登壇準備の効率化についてお話しいたします。
アイデア整理から仕上げまで。AIを相棒にした全プロセス
はじめに:登壇準備、どこが大変?
登壇準備と聞いて、皆さんは何が一番大変だと感じますか?
私は過去に1回登壇経験がありますが、特にアウトライン(構成)を考えることとスライド作成に時間がかかっていました。文章を書くのが苦手なこともあり、「何をどの順番で話せば伝わるのか」を考えるだけで数時間。さらにスライドのデザインや配置を整えるのにも多くの時間を費やしていました。
そんな中、2025年9月に「IT企業で働く人のライフステージと働き方の両立」をテーマにしたイベントで登壇する機会をいただきました。タイトルは「ご飯も仕事も効率化!想定外の環境も乗り越えたAI活用&生活パターン化で見つけた私の働き方」。
次男の入院をきっかけに時短勤務となり、限られた時間の中でどうやって仕事と育児を両立してきたか、特にAI活用と生活のパターン化についてお話しする内容です。
なぜ今回AIを使おうと思ったのか
実は会社でもAI活用が推進されており、AI活用を推進する専門チームまでできたほど。業務では日常的にCursorやDevinなどのAIツールを使ってコード修正を効率化していました。
「業務でこれだけAIに助けられているなら、登壇準備でも使えるのでは?」
そう思ったのと、時短勤務で使える時間が限られていたことから、今回は徹底的にAIを活用してみることにしました。
結果として、準備時間は前回の半分(約8時間)に。特にアウトライン作成の負担が劇的に減りました。
この記事では、私が実際に使ったAIツールと、その使い分けのコツを詳しくご紹介します。
準備ステップ全体の流れ(AI活用マップ)
今回の登壇準備で使ったAIツールと、その役割を図にまとめました。

【登壇準備の流れ】 1. アイデア整理・タイトル決定 → ChatGPT(対話しながら構成を固める) 2. スライド作成 → ChatGPT(プロンプト設計) → Gamma / イルシル / GenSpark(スライド自動生成) → 構成を参考に、Canvaで作り直し → Gemini(統一感のあるキャラクターイラスト生成) 3. 原稿作成・時間調整 → Google Docs(音声文字起こし) → Claude Code(口語を整文、時間調整)
各工程でAIの得意分野を活かしながら、自分の判断や感覚も大切にする。このバランスが今回のポイントでした。
Step 1:アイデア整理とタイトル決定(ChatGPT)
最初にChatGPTに伝えたこと
まずChatGPTに以下の情報を渡しました:
- イベント概要:子育てや介護といったライフステージの変化と仕事の両立がテーマ
- ターゲット:家庭と仕事の両立に悩んでいる方、柔軟な働き方に関心がある方
- 話したい内容:「自分は子供の入院という不測の事態が起きたり、2人の子供を育てる中でどのように仕事を効率化したり気をつけたかと、プライベート時間の工夫を話せたらなと思っています。業務ではAIの活用やコミュニケーションに気をつけるなどの内容を話そうと思っています」
タイトル案の生成と調整
最初に提案されたタイトル案は3つほど。ただ、少し堅い印象だったので、こう依頼しました:
「タイトルをもっとカジュアルに、目に留まるようなキャッチーな感じにして」
その結果、いくつか候補が出てきた中から気に入ったものをさらに自分で修正して、最終的なタイトルが完成しました。
最終タイトル:「ご飯も仕事も効率化!想定外の環境も乗り越えたAI活用&生活パターン化で見つけた私の働き方」
このステップのコツ
- 登壇の目的と聞き手像を先に伝えると、ChatGPTの提案精度が上がる
- 最初の案をそのまま使うのではなく、自分の感覚で微調整することが大切
- 「カジュアルに」「キャッチーに」など、方向性を具体的に指示すると調整しやすい
Step 2:話す内容を箇条書きで構成(ChatGPT)
タイトルが決まったら、次は「何をどの順番で話すか」の構成づくりです。
対話しながら構成を磨く
私の場合、以下のような流れでChatGPTと対話しました:
自分の経験を箇条書きで伝える
- 次男の入院で時短勤務になったこと
- リーダーを降りて実装に専念したこと
- AI活用(Devin、Cursorなど)で業務効率化したこと
- 朝活や家事のパターン化で時間を確保したこと
ChatGPTに構成案を作ってもらう
- 「イントロ → 転機 → 業務の工夫 → プライベートの工夫 → 学び → まとめ」というストーリー構成を提案してもらう
順番や内容を調整
- 「転機の話をもう少し詳しく」「業務の工夫を2つのパートに分けて」など、対話しながらブラッシュアップ
最終的な構成(8スライド)
- タイトル
- 自己紹介
- 転機(次男の入院、リーダーを降りる決断)
- 業務での工夫①(バックエンド期:Devin、Gemini活用)
- 業務での工夫②(iOS期:Cursor活用、初挑戦)
- プライベートでの工夫(家事パターン化、朝活)
- 学び(AIの使い方、完璧より前進)
- まとめ
所要時間:2〜3時間(対話を重ねながら)
この段階で構成がしっかり固まったことで、後のスライド作成がスムーズになりました。
Step 3:スライドたたき台の生成(スライドAI × ChatGPT)
ChatGPTでプロンプトを作成
次に、スライド生成AIに渡すプロンプトをChatGPTに作ってもらいました。
「Step 2で作った構成をもとに、Gamma(スライド生成AI)に渡すプロンプトを作って」
プロンプトは2パターン試しました:
- パターン1:箇条書きベースの構成
- パターン2:ストーリー性を強調した構成
スライド生成AIを3つ試した
以下のツールを試してみました:
- Gamma
- イルシル
- GenSpark
生成されたスライドの評価
良かった点: - 構成の流れが整理されていて、ストーリーのたたき台として使える - 自分では思いつかなかった表現や見出しのアイデアがあった
微妙だった点: - デザインがイマイチ思い通りにならない - 文字の大きさ、配置、色使いなど、細かい調整が難しい - 自分のこだわりを反映させるには限界がある
結局、Canvaで作り直すことに
理由: - Canvaは使い慣れているので、細かいデザイン調整がスムーズ - デザインの自由度が高く、自分の感覚で整えられる - AI生成スライドの構成は7〜8割参考にして、Canvaのテンプレートを活用 - 配色や配置:Canvaのテンプレートを利用 - イラスト:Geminiで自分で生成(後述)
Canvaで発表資料を作るコツ
登壇後、「Canvaでどうやって資料を作っているんですか?」と聞かれることが多いので、私なりのコツをまとめます。
配色・挿絵の統一
- テンプレートの色を参考にテーマ色を決め、全体でトーンを合わせる。
- 挿絵(イラストやキャラクター)もスライド全体の配色トーンに合わせる。
サイズの統一と余白の確保
- タイトル、サブタイトル、本文の文字サイズを固定し、全スライドで守る。
- 文字や図を詰め込みすぎず、適度な余白を確保して見やすくする。
不要な装飾の排除
- 影や枠線などの余計な装飾を多用しない。
- シンプルにすることで、プロフェッショナルで読みやすい印象を与える。
これらを意識するだけで、見やすく伝わりやすいスライドになります。特に配色の統一と余白は、デザイン初心者でも取り入れやすい効果的なポイントです。
このステップの学び
スライド生成AIは「デザインの完成品」というより、「構成のたたき台」として活用するのがベスト。最終的に自分で作り直す前提で使うと、効率と質を両立できます。
ただし、社内向けの報告会や勉強会など、デザインよりも内容重視の場面では、スライド生成AIで十分だと感じました。外部登壇のように「見た目の印象も重要」な場面では、Canvaなどで作り込む価値がありますが、用途によって使い分けるのが賢い選択だと思います。
Canva AIはまだ使用したことがないので機会があれば利用してスライド作成してみたいです。
Step 4:画像生成(Gemini)
前回の登壇では、フリー素材サイトを巡回してイラストを探すのに時間がかかりました。今回はGeminiを使って画像を生成してみました。
生成した画像の例
合計で約10枚の画像を生成しました。主なシーンは:
- 女性が悩んでいる様子
- 閃いた表情
- 運動している様子
- 家事をしている様子
実際に使ったプロンプト
「添付のイラストの女性を服装をTシャツにして、髪の毛を1つに結んでいて、ストレッチしているイラストをください」
最初に1枚キャラクターを作り、そのキャラクターをベースにさまざまな表情や動きを生成していきました。
生成のコツ
- 1枚あたり2〜3回生成し直して、納得いくものを選ぶ
- 既存のイラストを添付して「この人物で○○している様子」と指示すると統一感が出る
- フリー素材探しと比べて、圧倒的に時短&統一感が出る
フリー素材探しとの比較
フリー素材の場合:
- サイトを巡回して「イメージに合うものはないか」と探す
- 同じ雰囲気のイラストが見つからず、統一感が出ない
- 所要時間:1〜2時間
Gemini生成の場合:
- 欲しいシーンを指示するだけで、数分で生成
- 同じキャラクターで複数シーン生成できるので統一感が出る
- 所要時間:30分程度
画像生成は今回の準備の中で、最も効率化を実感した工程の1つでした。
Step 5:原稿化(Google Docs × Claude Code)
スライドが完成したら、次は原稿作りです。 前回登壇した際に、緊張して話したかった話をできなかった…ということがあったので話したいことを忘れないように原稿作成することにしました。 私はスライドをシンプルにしたいのもあり要点はスライドに記載するが詳細部分は書かずに話すスタイルが好きで、ここであの話入れたかったのに忘れてた・・など出てこないように対策を取りました。 ただ、自分の言葉で発表したいのでAIに原稿を作ってもらうのではなく、自分で喋ったことを書き起こし綺麗にまとめてもらうようにしました。
Google Docsで音声文字起こし
スライドを見ながら、Google Docsの音声入力機能を使って喋りたいことを自由に話していきました。
話し方:
- 本番ほど本格的ではないが、スライドを見ながら話したいことを順番に話す
- 時間は気にせず、言いたいことを全部出す
- スライド1枚ごとに区切るのではなく、全体を通して話す
所要時間:約20分
文字起こし結果:約4,500文字
Claude Codeで口語を整文
Google Docsで文字起こしされた原稿は、当然ながら口語のままで、そのままでは読みにくい状態です。
そこでClaude Codeに以下のように指示しました:
「以下の登壇発表のため喋り文字起こししたテキストを整えて発表原稿にして」
所要時間:約10分
なぜClaude Codeを選んだのか
- 使ったことがなかったので試してみたかった
- 長文処理が得意というイメージがあった
- ChatGPTは構成づくりで使っていたので、文章整形は別のツールを試したかった
Step 6:仕上げとリハーサル
時間配分の調整
本番の持ち時間は質疑応答含めて約17分。原稿を読んだところ、少し長めだったのでClaude Codeに調整を依頼しました。
「少し余裕を持って15分以内程度に収まるように原稿を調整して」
AIに時間配分を任せることで、どこを削るべきかを客観的に判断してもらえました。
最終チェック
- スライドと原稿の整合性を確認
- 声に出して読んでみて、違和感がないかチェック
- タイムキーパーをしながらリハーサル
準備全体の所要時間:約8時間(前回は15〜16時間だったので、半分に短縮)
まとめ:AIを"相棒"にする登壇準備
AI活用で得られた3つの効果
- 準備時間が半分に(16時間 → 8時間)
- アウトライン作成の負担が劇的に減少(最も効果を実感)
- 画像探しの時間がほぼゼロに(統一感も向上)
AIを「代行者」ではなく「ブレインストーミングの相手」として使う
今回の経験で最も大切だと感じたのは、AIに丸投げするのではなく、壁打ち相手として使うということです。
AIに任せたこと:
- 構成のたたき台づくり
- タイトル案の複数提示
- 口語の整文
- 画像生成
自分でやったこと:
- 最終的なタイトルの決定
- 構成の微調整
- スライドのデザイン
- 原稿の最終チェック
AIはサポート役であり、最終的な判断は自分で行う。このスタンスが、質と効率を両立させる鍵でした。
登壇初心者の方へ:まずは試してみよう
この記事を読んでくださった方に、ぜひ伝えたいことが2つあります。
1. 自分に合ったAIツールを見つけるには、実際に試すことが大事
今回、私は複数のスライド生成AIを試しましたが、結局Canvaで作り直しました。これは「失敗」ではなく、「自分に合ったツールの組み合わせを見つけるプロセス」です。
人によって、得意なこと・苦手なこと、こだわりたいポイントは違います。だからこそ、まずは色々試してみて、自分に合うツールを見つけることが大切です。
2. 登壇内容は自分で考える。AIは壁打ちやサポートをしてくれる存在
AIはとても便利ですが、登壇内容の核心は自分の経験や想いです。
- 何を伝えたいのか
- どんな経験をしてきたのか
- 聞き手にどう感じてほしいのか
これらは自分にしか分からないこと。AIはその想いを整理し、言語化し、構成するのを手伝ってくれる存在です。
AIに頼る部分と自分でやる部分のバランスを取りながら、効率的かつ質の高い登壇準備を目指しましょう。
最後に
登壇準備は時間がかかるものですが、AIをうまく活用すれば時間を半分にしつつ、質も保つことができます。
特に時短勤務や育児・介護との両立で時間が限られている方にとって、AIは心強い味方になるはずです。
ただし、今回紹介したやり方もまだまだ改善の余地があると感じています。AIツールは日々進化していますし、使い方のコツも実践を重ねるごとに見えてきます。次に登壇する機会があれば、さらなる効率化に挑戦したいと思っています。
この記事が、これから登壇に挑戦する方、AI活用に興味がある方の参考になれば嬉しいです。
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