
はじめに
アソビューAdvent Calendar 2025の1日目(裏面)です。🎄
筋トレしていますか?みなさんこんにちは。
アソビュー株式会社でエンジニアをしている髙木です。
今年のアドベントカレンダーでテックブログを書くのは 3 回目になりますが、今回は少し趣向を変えて「筋トレ」についてお話ししてみようと思います。といっても、これはマッスルブログではないのでご注意ください。
筋トレを続けて中級者と呼べるレベルになったとき、ふと「あれ、筋トレの成長曲線と、エンジニアが初心者から中級者へ成長するときの曲線って同じじゃないか?」と気づいた瞬間がありました。
ちょうど私自身も、エンジニアとして初心者から中級者へと移行するフェーズにいて、筋トレと開発スキルの「成長の痛み」が似ていると感じた瞬間があったので、今回の記事では、筋トレで中級者になった経験と、エンジニアとして成長に悩みながら進んでいる現在進行形の気付きを組み合わせて、「なぜ、あるタイミングから急に成長していない気がするのか」、「その裏で本当は何が起きているのか」という “伸び悩みの正体” を言語化してみました。
エンジニアとして成長に悩んでいる人、筋トレに悩んでいる人のどちらにも、何かヒントになれば嬉しいです。
前提
今回のブログでいう「質」とはふわっとした「なんか良さそう」という言葉ではなく、筋トレであれば、
- 狙った筋肉にちゃんと効かせられているか
- フォームが安定しているか
- 怪我をしにくい動きになっているか
開発であれば、
- 読みやすく・変更しやすいコードになっているか
- パフォーマンスやスケーラビリティに配慮できているか
- 壊れにくく、バグを埋め込みにくい設計になっているか
- 技術選定の理由を説明できるか
といった、「成果物の品質を保つための判断力や設計思考」をまとめて指しています。 初心者のフェーズではこのあたりがまだ視界に入ってこないので、とにかく回数をこなしたりコードを書く量を増やすことで目に見えて成長していくかと思いますが、中級者フェーズに入ると、こうした「質」に向き合う時間が増えるため、
- 同じ時間やっても、以前ほど成果が見えない
- むしろ「できていないところ」ばかり目につく
という「伸び悩み」っぽく感じる状態になりやすいというのがこの記事の前提になっています。
『ブラザー、筋トレと開発それぞれの初心者・中級者の定義をしてくれないか?』
そんな声が聞こえてきた気がしたので、まずは自分なりの解釈で両者の成長段階を整理してみます。
初心者の定義
私個人の見解としては、筋トレの初心者期は、とにかく「やれば伸びる」時期です。
ベンチプレスにしろデッドリフトにしろ、フォームはまだ固まっておらず何をしても筋肉痛になる。「まずは重いものを持ち上げよう!」と躍起になっていた頃の私もまさにこのフェーズでした。
開発の初心者期は、動くコードが書けるようになり、基礎的な概念を吸収している時期です。「動くコードは書けるけど設計や抽象化はまだまだ難しい。。。」のような状態です。
中級者の定義
筋トレの中級者になると、成長の速度は一気に落ち停滞期に入ります。この時期はフォームを細かく調整したり、苦手な部位を分析したりと、量ではなく質が求められるようになる段階です。
開発の中級者になると、コードを書くこと以上に設計の意図や他人のコードの背景を理解することが求められる段階に入ります。
扱うシステムの複雑さや責任範囲も大きくなり、ただ要件どおりに実装するだけでは、
- 読みにくい
- 変更しづらい
- 壊れやすい
といった問題が出やすくなります。
そのため 、「将来の変更にどう備えるか」や「この選択はパフォーマンスにどんな影響を及ぼすか」といった品質を意識した判断が求められる場面が増えていきます。
まとめると、それぞれの定義は以下になります。
- 筋トレ初心者:とにかく「やれば伸びる」時期
- 筋トレ中級者:「質」に向き合うことで成長速度が落ちる停滞期
- 開発初心者:コードが書けるようになり基礎を吸収している時期
- 開発中級者:「設計」や「他人のコードの意図」を理解し始める時期
以下は両者の「初心者 → 中級者」の成長傾向を示した概念図です。

黄色線は筋トレとエンジニアリングスキルの成長イメージを示したものです。
筋トレ初心者から中級者になったときの変化
2019年に初めてジムに通い始めた頃、「まずは重いものを上げられるようになれば身体は大きくなる」と信じて、ひたすら重量だけを追いかけていました。
2年ほど続けた頃、扱える重量は増えたものの、ある日突然まったく伸びなくなる時期がきました。胸を鍛えているつもりなのに三頭筋だけが疲れたり、「自分のフォームがおかしい?」と思う場面も増えていきました。
そこで初めてフォームを見直し、適当に回数だけ積むのではなく、1回の動作の質にこだわるようになりました。
その過程で決定的な気づきがありました。
「自分は肩ばかり強くて、胸がほとんど使えていない。」
弱点が明確になった瞬間が、私にとって筋トレ中級者の入り口だったのだと思います。
エンジニアとして感じ始めた同じ変化
開発でも、筋トレの停滞期に似た「思うように進まない感覚」をここ最近、強く感じるようになりました。
コードが“読めているようで読めていない”感覚
コードの表面的な処理は追えるのですが、「この関数は本当は何を意図しているのか?」「この値はどこから来ていて、どこへ渡っているのか?」といった深いレイヤーの理解が追いつかない場面があります。
動きは分かるけど、「構造」や「背景」が理解できていない状態です。
調査タスクに時間がかかる
また、調査系のタスクでも似た悩みがあります。ログを追えば原因に辿り着けるものの、「何が本質的な問題だったのか」を特定するまでに時間がかかってしまうことがあります。
調査の進め方に自分なりの型がなく、毎回手探りなことが原因だと感じています。
これは筋トレで言えば、フォームが安定していないせいで、効かせたい部位が毎回違う状態に近いです。
パフォーマンス改善がまだ難しい
実装する際に「パフォーマンスを悪化させない」ことは意識できてきましたが、「どうすればこの処理がもっと早くなるか?」といった改善視点はまだ弱いと感じています。
「壊さない設計」はできるけれど、「もっと良くする設計」には踏み切れない段階です。
筋トレで言えば、「今のフォームで怪我しないように気をつける」ことはできても、「筋肥大を最大化するフォーム調整」がまだ難しい、そんな状態です。
これらの悩みは筋トレの経験からすると、成長が質に変わり始めたサインと私は捉えています。
なぜ筋トレと開発は同じ成長曲線を描くのか
筋トレで中級者へ足を踏み入れ、開発でも中級者へ少しずつ向かい始めている今の自分だからこそ、強く感じることがあります。
「初心者の成長は線形であり、中級者の成長は非線形である!」
初心者の頃は、筋トレなら「やれば伸びる」、開発なら「触れば理解が増える」時期で、新しいことを学ぶたびに、できることが増え努力量に対して素直に成長が返ってきます。
一方で、中級者に近づくと状況が大きく変わります。
筋トレではフォームの微調整や弱点部位の強化が必要になり、 開発では、設計意図やパフォーマンス、技術選定の背景など、「壊れにくく、続いていくシステムを作るための質」が求められるようになります。
このとき起きるのが、
- 以前と同じくらい時間をかけても重量や書けるコード量といった「分かりやすい成果」がなかなか増えない
- その代わり、理解の深さや判断の精度のような「見えづらい成長」がゆっくり溜まっていく という現象です。
つまり、「量をこなせば伸びるフェーズ」から「質を高めるための試行錯誤に時間がかかるフェーズ」に移行することで、成長しているのに停滞しているように感じる。これこそが、筋トレと開発に共通する「伸び悩みの正体」なのだと思います。
筋トレと開発の成長曲線が似ているように感じる理由は、まさにこの「量から質へのシフトによって、努力と成長の見え方のバランスが変わる瞬間」が、両者で同じように訪れるからだと考えています。
アソビューで働いて感じた成長を支える文化
筋トレで中級者へ向かうときに「量から質へ」成長が変化したように、開発でも同じ変化を感じています。その中で強く感じるのは、アソビューにはこの成長を支えてくれる文化があるということです。
まず、スクラムの存在が大きいと感じており、 スプリントの振り返りで自分の作業を言語化することで、なぜそのような設計・実装にしたのか、調査になぜ時間がかかったのか、といった「質」に向き合う問いが自然と生まれる環境になっています。
また、調査や学習のスタイルを育てる文化もあり、Slackで調査ログを共有したり、ナレッジをドキュメント化したりという習慣が根付いていて、調査力や分析力を伸ばしていける理由の一つは、この環境にあると感じています。
筋トレで中級者の壁を越えるとき、周囲の環境(トレーニング仲間やジムの環境など)がとても重要だったように、開発でもアソビューの文化が、自分の成長を確かに支えてくれていると実感しています。
これからの展望
これからは、基礎もしっかり大事にしながら設計力や調査力といったスキルを高める「質」を意識して取り組んでいきたいです。筋トレで身につけた継続力と改善サイクルを、開発でも同じように活かしていければと思います。
とはいえ、質に向き合うフェーズは、正直に言うと「悩む時間」のほうが長くなります。筋トレでもそうでした。
それでも、その悩み事自体がアップデートされていくことで、あとから振り返ったときに 「あの停滞期が一番大きな成長につながっていたな」と思えるのではないかと感じています。
そして、アソビューの振り返り文化の中で自分の弱点・悩み事と向き合いながら、チームに価値を届けられるエンジニアへ成長していきたいと思っています。
さいごに
現在アソビューでは「生きるに、遊びを。」をミッションに、一緒に働くメンバーを募集しています!
ご興味がありましたら、ぜひご気軽にご応募ください!
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