はじめに
この記事は、アソビュー Advent Calendar 2025の4日目(表面)です。
こんにちは、アソビューでスクラムマスターを担当しております、石川和尚です!
以前、QA一筋だった私が開発領域に挑戦した記事を書かせていただきましたが、今回はその後の話として私が「スクラムマスター」に挑戦した経験についてお話しします。
過去の記事はこちらになります。
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スクラムマスターに挑戦しようと決意した当時の私は、「開発経験が少なく、わからないことだらけの自分が、スクラムマスターを全うできるのか」という不安を抱えていました。
この記事では、そんな私が自身の不安に向き合い、どのように行動して、チームにどんな変化が起きたのか、そのリアルな過程をお伝えできればと思います。
背景:2つの「不安」
スクラムマスターに挑戦した当初、私は2つの大きな「不安」を感じていました。
1つ目は、チーム自体の課題です。
当時のチームは、ミーティングでの発言者が偏っていたり、ネガティブなこと(課題や懸念点)を言いにくい空気があったりと、コミュニケーションの活性化に伸びしろがある状態だと感じていました。
2つ目は、私自身の課題です。
私はQAエンジニア出身であり、開発経験は多くありません。そのため、問い合わせがあってもDBのどのテーブルを見ればよいかやエラーが出てもツールの見方がわからない、といった「わからないこと」だらけでした。
「こんな自分がスクラムマスターとして機能するのだろうか…」という不安が非常に大きかったです。
この2つの課題を前に、
「チームのため、そして何より自分自身が安心してスクラムマスターを担当できるように、チームの心理的安全性を高める必要がある」と思いました。
まず目指すべきは、「些細なことでも質問でき、失敗を恐れずに『まずはやってみる』ができるチーム」にすることです。メンバーが「わからない」「試してみたい」と声を上げられ、失敗を恐れることなく前へ進める状態を作らなくてはなりません。
そのためには、まず私自身が変わる必要があります。 私が「わからない」と言えない状態では、チームの誰も言い出せるはずがありません。私自身が抱える不安を隠さず解消していくことが、巡り巡ってチームの課題解決への近道になると考えました。
実行したこと①:スプリントレトロスペクティブをどんな場にしたいかチームで目線を合わせる
スクラムマスターに挑戦した当初、私は開発経験が少ない中で、各スクラムイベントのファシリテーションを全うできるのだろうかという大きな不安を感じていました。
中でもスプリントレトロスペクティブは、チームの課題が上がり、良い改善策(Try)を見つけるために深い議論が求められる場と考えており、私は開発経験が少ないため、技術的な背景を踏まえた深掘りや議論の活性化を行うことが難しく、悩んでいました。
この悩みをアジャイルコーチに相談したところ、「レトロスペクティブはトライ(改善策)を出す場ではない」という気づきと、「議論を深めるのはスクラムマスター一人に任せるのではなく、メンバー全員で取り組むのが理想だ」というアドバイスを受けました。
この言葉から、私が頑張るべきは「良い深掘り」ではなく、「チーム全員が安心して意見を出し合える場の設定」だと思いました。
そこで、DPA(Design Partnership Alliance)というフレームワークを活用しました。
DPAとは、「どういった雰囲気で振り返りたいか」と「そのために何をするか」を決めるフレームワークです。 ミーティングの目的やプロセス、各々の役割を明確にすることで、チームがその場にどう向き合うべきか、しっかりとした共通認識を持つことができます。
具体的な進め方としては、以下の二段階で議論を進めました。
「どんな場にしたいか」を定義
まず、チーム全員で「どんな雰囲気でレトロスペクティブを進めたいか」について付箋を出し、議論しました。その中で、「心理的安全性が高い」状態とは何か、「いいづらいこと」とはどんな状況か、といった点を深掘りしました。
具体的なアクションの決定
次に、その理想の雰囲気(例:「ミスを責めるのではなく学びに繋がる場」 や「全員が意見を言えるような場」)を実現するために、「どんなことをすればよいか」について付箋を出し、議論しました。チームからは「プライベートなことも書いてOKにする」、「なんでもいいのでリアクションかコメントする」など、具体的な行動アイデアが多数挙がりました。

議論の結果、心理的安全性の確保が最優先であるという共通理解のもと、以下のシンプルで重要な約束事を定めました。
「どんな意見でも気軽に言える場を作るために、なんでもいいのでリアクションかコメントをする」
この一歩を踏み出すことで、チームの雰囲気は大きく変わったと思います。レトロスペクティブは「スクラムマスターが進行・深堀りをする場」から、「全員が参加し、改善につなげる場」へと意識が変わったように感じました。
特に、メンバー間のリアクションやコメントが活発になったことは大きな変化です。さらに、「ネガティブなことも言える」という意見を言いやすい雰囲気が生まれたことで、以前と比べて具体的な意見が多く出るようになりました。これにより、全員で協力しながら議論し、課題に取り組めるようになりました。
実行したこと②:「わからない」ことに積極的に挑戦し、不安を共有する
私はQAエンジニア出身で開発経験が少ないため、スクラムマスターに挑戦した当初から「こんな自分がチームに貢献できるのか」という大きな不安を抱えていました。問い合わせ対応、データパッチ、本番エラーの調査など、多くの業務が私にとっては「わからない」だらけで、正直、今でも恐怖心があります。
この自分自身の不安を解消するため、私は「わからないことへの挑戦」と「失敗や不安の共有」を、意識的に行うことにしました。
自身の「わからない」や「不安」をチームに開示することは勇気がいりますが、私が率先してその壁を破らないと、チームに「わからない」と言える空気は生まれないと考えたからです。
例えば、ある時、データパッチ実施のためにDBの状態確認に困った際、すぐにチームのチャンネルにヘルプを出しました。不安を感じながらも、「今やるべき対応と残っているタスクはこれ」と、現状を率直に共有しました。

すると、画像にある通り複数のメンバーがすぐにリアクションをくれたり、「手伝えることがあれば声かけてください!」とヘルプに駆けつけてくれたりしました。
この反応は、先に紹介したDPA(実行したこと①)で決めた「なんでもいいのでリアクションかコメントする」という約束事が、チームに浸透し始めていた成果でもあったのかもしれません。
こうして「わからない」ことを共有し、メンバーがすぐに助けてくれたことで、私自身の不安は徐々に和らいでいきました。さらに、メンバーが助けてくれるという安心感を得られたことから、「わからないことへ挑戦するハードルが下がる」という良い影響もありました。
また、チームに助け合いの雰囲気が生まれた背景には、ある開発メンバーの功績も非常に大きいと思っています。そのメンバーは、日頃から各メンバーを気にかけて声掛けやミーティング設定をサポートしてくれたり、「ハドルを気軽に立ち上げる」というルールを提案してくれたりするなど、チームの助け合いの雰囲気づくりに大きく貢献してくれています。
このように主体的にチームを支えるメンバーがいることこそ、アソビューのバリューである「ONE TEAM」の文化が深く根付いている証拠だと感じています。 この文化があったからこそ、私も「わからない」を率先して開示し、恐れずにヘルプを求める行動を取ることができました。
この一連の動きを通じて、もしチームのメンバーが「わからない」を言いやすくなることに少しでも貢献できていれば、嬉しく思います。
最後に
私は「開発経験が少ない」という大きな不安を抱えながらスクラムマスターとしての挑戦を始めました。しかし、「場づくりのためのチームでのルール設定(DPAの活用)」と「わからないことに挑戦し、不安を共有する」という二つのアプローチを続けた結果、多くのポジティブな変化が生まれました。
正直、何が直接的な成功要因かはわかりませんが体感的にチームのコミュニケーションが活発化していると感じることが多くなったと思います。
私のスクラムマスターとしての挑戦はまだ始まったばかりですが、今後は、この「心理的安全性の土台」をさらに活用し、ONE TEAMでユーザーへの価値最大化を目指して行ければと考えています。
いかがでしたでしょうか?この記事は、開発経験がない私が不安を正直に開示し、チームの助け合いの文化(ONE TEAM)の中で成長できたリアルな記録です。
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