Googleサーチコンソールのデータ活用事例

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「週末、なにする?そんな時は、アソビュー!」でお馴染みの遊び予約サイト「アソビュー!」のSEOを担当している西本です。

最近は本業以外でGoogleデータポータルを使い始めたのですが、モニタリングダッシュボードが簡単に作れるので便利だなと今更ながらに思いました。ただ、まだ使い勝手が分かっておらず、作りたいグラフが思うように作れずまだまだ精進が必要だなと。副業でサクッと使うならGoogleデータポータル、本業でガッツリ使うなら使い慣れているBigQuery+Redashがいいなと思う今日この頃です。

今回もモニタリング系の話ですが、Googleサーチコンソールから取得出来るデータの活用についてです。

以前から「サーチコンソールのデータをもっと有益に活用出来ないだろうか?」と思っているものの、人に聞いたことはあまりなく自己流でやっていたため、他の方々がどう使っているのか知りたいと思いました。そのためにはまず自分から情報発信すべきと思い、普段の僕の使い方をまとめようと思ったのが今回の記事です。またサーチコンソールのデータを扱う際に困っている点も記載しておきます。

主に以下3点の使い方をしています。
(1)全体の傾向把握
(2)個別キーワードの傾向把握
(3)施策の検討+効果検証

■前提

本編に入る前にサーチコンソールデータの可視化は以下の環境で実現しています。
・Search Console APIからデータ取得
・取得したデータはBigQueryに格納
・格納したデータをRedashで可視化

使用している環境の概要については下記記事を参照頂ければと思います。

tech.asoview.co.jp

データの取得と更新は自動化しているため、各指標の数値は毎日確認しています。

■全体の傾向把握

普段のモニタリングにおいて、GoogleAnalyticsで確認できるOrganicSearchのセッションが減少した場合、考えられる原因はいくつかありますが、その切り分けにサーチコンソールの検索パフォーマンスのデータが使えるのではと思います。例えば以下のようなケースです。
・対策しているキーワードの検索回数が減少した
⇒表示回数の減少から推測
・リスティング広告の強化によりPaidSearchにセッションが流れた
⇒(※掲載順位は変動が無い前提で)CTRの低下から推測
・Googleのアルゴリズムアップデートなどにより順位が低下した
⇒掲載順位の低下から推測

サイト全体のクリック数、表示回数、CTR、掲載順位を昨年と今年でグラフ表示し比較することで、原因の特定につながりやすくなるのではと思います。※実際には他のデータも使って調べるのでこれだけで判断は出来ないですが、根拠の1つとしては使えるかなと。

例えばアソビューの表示回数のグラフは以下の通りです。

表示回数の昨対比較

今年は青、昨年は赤でグラフ表示しています。2021年3月頃から昨年と今年で大きく乖離がありますが、これは昨年の3月頃から新型コロナウイルスの影響によりお出かけ関連の検索需要が落ち込んだ影響です。

困っている点としては、サーチコンソールのデータが太平洋時間(PT)のため、日本時間(JST)とは17時間のずれがあります。そのままだと日付を読み違えてしまうためRedashでグラフ表示する際に日付を1日ずらしているのですが、他の方々はどうしているんだろう、と思います。JSTで見れるようになるといいのに。

■個別キーワードの傾向把握

どの検索キーワードでどの程度流入が発生したのか、はサーチコンソールでしか確認出来ません。そのため、特に注視するキーワードに関してはサーチコンソールのデータから傾向を確認しています。

例として「アソビュー」を含むキーワードでのクリック数を昨年と今年でグラフ表示したものが以下です。

指名検索流入の昨対比較

時々数値が跳ね上がっている日がありますが、これはアソビューがテレビ番組で取り上げられた時のものです。そのため、広報施策の効果検証にも使えると思います。アソビューにも優秀な広報担当がいるため、今後このグラフがガンガン跳ね上がってくれると期待しています。

困っている点としては、上限5000キーワードまでしか取得出来ない点です。APIのリファレンスを読むとstartRowとrowLimitを使えば全量データが取れそうに思うし、指定する条件次第では5000以上取れたりしますが、僕が欲しい条件だと5000件までしか取得できず。もっと取れたらいいのに。

■施策の検討+効果検証

SEOの施策を進める際はある程度まとまった機能単位で実施することが多いです。そのため、サーチコンソールから取得出来るデータをURL毎に参照することで効果検証に使えます。例えば、以下のようなケースです。

・title,description変更後、該当ページのCTRが上昇しているか
・リッチリザルトに対応後、該当ページのCTRが上昇しているか
・SEO観点でのデメリットが懸念される施策を実施後、該当ページの掲載順位が低下していないか

Redashでサーチコンソールのデータを参照出来る環境を作っているため、簡単なSQLを書くだけで効果検証出来るのは楽だなと思います。

また、施策対象のキーワードの選定にも使っています。例えば、直近半年間で掲載順位が低いキーワードの特定、などもBigQueryにデータを蓄積しているため、簡単なSQLを書くだけでデータが取得出来るので楽だなと思います。

ただ、前段でも記載した通り、URL毎もキーワード毎も取得出来るデータは上限5000件で全量データではないため、その点は注意が必要です。

■最後に

僕が書いた内容は割と誰でも思い付く一般的な内容だと思いますが、他にこんな使い方をしている、などあれば情報交換の機会を頂けると有難いです。

「生きるに、遊びを。」をミッションに掲げる我らがアソビューでは一緒に事業をつくる仲間を絶賛募集中です。

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