データドリブンSEOへの挑戦

アソビュー Advent Calendar 2019 の8日目の記事です。

遊びのマーケットプレイス「アソビュー!」のSEOを担当している西本です。
本職はインハウスSEO担当ですが、最近はチーム内でデータアナリストとしての需要も増えており、チームで追いかけているKPIをモニタリングするダッシュボードの構築も担当しています。
僕は2019年5月にアソビュー株式会社に入社したのですが、入社してからまず取り組んだSEOダッシュボードについて書きます。

目的・背景

下記3点を目的に、入社してすぐにSEOダッシュボードの構築に着手しました。
・課題の特定
・計測指標の拡大
・モニタリング工数の削減

▼課題の特定

入社したばかりのため、現行サイトのどこにSEO観点での課題があるのか分からず、まずはそれを把握したいと考えました。また、課題の優先度もなるべく定量的に判断したかったため、分析に必要なデータを集めることを始めました。

▼計測指標の拡大

最近SEOは難しくなったと言われることが多く、直近8年SEOに取り組んでいる僕も同様に感じています。様々な要因はあるものの、その1つとして表示速度やユーザ行動等見るべき範囲が多岐に広がっている、という点が挙げられると思います。以前は順位・流入数・CV数の主要3指標を見ていれば概ね事足りていましたが、抑えるべき範囲の広がりに合わせて、見るべき指標も拡大する必要があると考えています。

▼モニタリング工数の削減

見るべき指標は拡大すべきですが、そのモニタリングにリソースが割かれると、本来必要な施策推進のための分析や要件策定にリソースをかけることが出来なくなり、事業成長に貢献出来なくなります。そのため、モニタリング指標を増やし、かつモニタリング工数は抑える必要がありました。

仕組み

前述の目的のために、クラウドとBIツールを活用し、各モニタリング指標が自動で更新されるSEOダッシュボードを構築しました。その仕組みは下記図の通りで、クラウドはGCP、BIツールはRedashを使用しています。 SEOダッシュボードの仕組み

指標定義

どの指標をモニタリングするかについて、詳細は後述しますが、下記SEO評価要因をベースに考えています。 SEO評価要因

上記枠組みに沿って、各評価要因を定量的に分析するには、どのデータソースをどう可視化すれば示唆が得られそうか検討のうえ、データの収集とグラフの作成を進めていきました。尚、モニタリングする指標としては上記枠組みを元にした「SEO評価指標」と、その評価を元に生み出された「SEO結果指標」の2つに分けて計測しています。

SEO評価指標

下記の通り、SEOの各評価要因毎にデータソースを定め、集計→可視化をしています。 SEO評価指標

SEO結果指標

下記は「SEO結果指標」として計測している各指標です。 SEO結果指標

僕が入社する以前から流入数・CV数はモニタリングしていましたが、サイト全体という粒度だったため、機能別に分解して可視化しています。また、Google Search Consoleのデータも加えることで、クエリ毎・ページ毎の傾向も解像度高く把握出来るようになりました。

構築によるメリット

▼モニタリングの進化

モニタリングの進化

元々の目的であった、計測指標を増やしたうえで運用工数を削減する、を実現出来ました。各指標は自動でデータが更新されるため、朝出社した後Redashのダッシュボード1画面を見るだけで、各指標の動きが確認出来るため快適です。

▼問題の早期検知

データは自動で更新されるため、各指標を毎日確認することが可能です。そのため、予期せぬ問題が発生した時も早期に検知、対応することが可能になります。 PageSpeed Insights

上記はPageSpeed Insightsのスコアですが、あるUI改善施策をリリースした後にスコアが大きく低下することがありました。その状況を早期に検知出来たため、すぐに対応を実施し、スコアを元に戻すことが出来ました。

▼データを元に意思決定

SEOの課題や優先順の検討には、経験を元にした定性判断は一定必要ですが、なるべく定量で判断したいと考えています。 流入数の内訳(機能別)

上記は機能別の流入数の内訳推移ですが、僕が入社するまではコンテンツSEOを強化することで順調に流入数を伸ばすことが出来ていました(※上記グラフの薄い青)。
ただ、記事での流入のためCVRが低く、流入が取れてもCV数増加につながり辛いという課題もあります。コンテンツSEOで大きく流入を伸ばすことは出来ているため、これからはCVにつながりやすいプロダクト側のSEOを強化すべく鋭意がんばっています。成果としてはまだまだこれから…ですが。

最後に

アソビューでは一緒に働く仲間を絶賛募集中です。
マーケターの採用もしておりますので、データ×マーケティングを推進すべく一緒に楽しく仕事が出来ればと思います。 www.wantedly.com

個人的には、データエンジニアの方が来ていただけると嬉しいです。
メタデータと分析用クエリの管理が出来る人がおらず困っています。助けてください。
そんなことを思いながらRedashにクエリを量産する今日この頃です。