イベント割対応の開発について 〜アソビューにおけるプロジェクト開発の進め方〜

フロントエンドエンジニアの野口です。

最近、インスタで猫の動画を見るのにハマっています。おすすめはマロンとフランです。癒やされます。

はじめに

アソビューでは、政府や自治体の事業、新施設の設立といった外的な要因を受けてプロダクトの機能をアップデートすることがあります。

今回は、先日開始された「イベント割」の対応について紹介します。

イベント割とは

イベント割は、日本国内で開催されるコンサートや展覧会、観劇、映画、スポーツ観戦、遊園地などのチケット代金から20%相当分 (上限2,000円) が割引となるものです。 新型コロナウイルスの感染拡大により、特に打撃を受けているイベント産業の需要喚起を目的とした政府主体の事業になります。

wakuwari.go.jp

アソビューでは、日時を指定してチケットを購入できる仕組み (以降、日時指定チケット) を提供しています。この日時指定チケットをイベント割に対応することで、チケットのオンライン販売システムを持たないパートナーでもイベント割事業に参画できるようになります。

日時指定チケットの開発についてはインタビュー記事もありますのでぜひご覧ください。

type.jp

どのように開発したか

イベント割に対応するためにどのような取り組みをしたのかを解説します。

開発体制は、プロダクトオーナー、プロダクトマネージャー、チームリード2名、エンジニア6名、QA エンジニア2名という構成でした。

チームリードは、主に要件や仕様策定、開発チームのタスクやスケジュール管理を担当しています。エンジニアは、ゲスト向けのアプリケーションを開発するメンバーが3名、パートナー向けの管理システムとバックエンド API 開発が3名という分担で開発を進めました。

開発の進め方や開発した機能をいくつかピックアップして紹介します。

要件と仕様の整理

まず、イベント割のサイトにあるチケット販売事業者向けの公募要領資料を確認して事業に参加するための要件を整理しました。ここでは、チームリードがビジネスサイドと協力し、要件やスコープを相談しながら、チケット販売や利用、集計/報告などの運用面を中心に整理しました。

今回は、ユースケースとアクターごとに必要な情報を整理してシステム要件を整理しました。

次に、これらの要件をシステムの仕様に落とし込みます。アソビューが提供するサービスは多数のアプリケーションで構成されており、1つの機能を実装するために複数のアプリケーションに影響が及ぶことがあります。どのような画面や機能が必要になるのか、新規で開発する必要があるのか、もしくは現行の機能を改修するのか、関連するアプリケーションはどれか、といった内容をまとめました。

ここまでをチームリードが担当し、まとめられた仕様をもとにエンジニアが詳細を設計していきます。

今回、ゲストが購入導線でチケット利用者の情報やワクチン接種証明書を登録したり、管理者が証明書を確認する機能などの開発が必要になりました。

フロントエンド/バックエンドの開発の進め方

アソビューでは、フロントエンド (FE) とバックエンド (BE) で分担して開発を進めることがしばしばあります。イベント割対応の開発でも、FE と BE のエンジニアがそれぞれの担当領域に分かれて現行調査したあとにイベント割対応のための FE と BE 間のインタフェースを定義しました。先にインタフェースを決めることで、FE と BE がお互いの進捗に影響されず並行して開発できるため、スピード感をもって開発を進められます。あとから仕様や IF の変更が必要になることもありますが、適宜、コミュニケーションを取りながら調整していきます。

画面、もしくは機能単位で動作できる状態になったら FE と BE を結合して動作確認、修正をするという流れです。もちろん、お互いの進捗や細かい不具合などによっては担当領域を超えて開発を分担することはあります。

QA の進め方

購入やチケット利用処理などクリティカルな機能に影響がある開発では QA メンバーがプロジェクトに入ります。イベント割の開発では、ゲストが購入するためのアプリケーションだけでなく、精算業務やパートナーが操作する管理画面にも改修が入るため、影響範囲は広くなりました。

QA では、まず、要件や仕様をもとにテスト計画書を作成し、テストのスコープや観点、テストの規模感などを関係者間で認識合わせします。テストフェーズの前にエンジニアだけでなく QA メンバーの視点で観点漏れを確認できたことで手戻りが少なく開発を進められたと思います。

その後、テスト仕様書を作成し、開発完了後に検証環境でテスト実施と進めていきます。

画像アップロード

イベント割の要件として、チケットを利用する方のワクチンの接種歴または陰性の検査結果の証明書登録が必要になります。既存の日時指定チケットではこれまで画像を登録する機能はなかったため、新規に開発する必要がありました。ただ、幸いこちらは昨年リリースした年間パスポートの機能を一部流用することで、大きなコストをかけることなく機能を実現できました。

画像アップロードの詳細についてはこちらをご覧ください。

tech.asoview.co.jp

運用フロー整備

エンジニアの仕事は開発した機能をリリースして終わりではありません。販売するチケットを管理画面から登録し、販売、売上集計、精算までの一連のプロセスに不備不足がないかを営業チームや経理チームと協力して詰めていきます。

特に、集計や精算においては通常のプロセスとは異なる部分も出てくるため、Redash などを利用して個別にデータを抽出できるように準備します。

アソビューのエンジニアには、アプリケーション開発の技術だけでなく、営業や経理とコミュニケーションするための知識やノウハウが求められます。

まとめ

このように、イベント割開発では FE と BE の開発を並行したり、既存機能をうまく組み合わせることで短期間に開発することができました。アソビューは、今後もこういった政府や自治体の事業やパートナーの要望にスピード感を持って対応していきます!

アソビューの開発についてもっと聞いてみたいという方はこちらもぜひご覧ください。カジュアル面談もあります。

www.asoview.com