奥深き「在庫管理」の世界! レジャー、アクティビティ領域における在庫とは!?

アソビューAdvent Calendar 2022の13日目の記事です。

はじめに

こんにちは。 アソビュー株式会社にてプロジェクトマネージャーをやっております杉浦と申します。 アソビューにジョインして5カ月が経過しました。

私は前職ではロジスティック領域における在庫管理や生産管理といったシステムの開発に従事してきました。アソビューではウラカタチケットウラカタ予約といったレジャー/アクティビティ領域におけるSaasサービスを提供させていただいているのですが、この領域でも在庫の概念はありそれについてロジスティックな在庫管理との違いや現状の課題などを書きたいと思います。

在庫管理とは

一般的な在庫管理とは要約すると在庫をちょうどいい数に保つことと思っております。在庫は多すぎると壊れたり管理費がかさんだりしますが少なすぎると販売機会を逃してしまったりします。

丁度よい在庫数を在庫適正数と呼んだりしますが在庫適正数は季節やトレンドなどにより随時変動します。在庫適正数を見極めこれを維持する活動こそが在庫管理の本質と言えます。

在庫管理できると何が嬉しいのか?

在庫が管理できると何か良いことが起こるのでしょうか?私が経験上理解している在庫管理における提供価値について一部ではありますが列挙してみました。

原価低減

  • 在庫適正数を見極め在庫数を低減できれば一時的にですが仕入が減ります。これにより売り上げ原価が減り結果利益が増えます。

価値損失のリスク回避

  • 野菜や果物等は長時間在庫が滞留すると腐ったりしますし賞味期限のある在庫については味が落ちたり食べられなくなったりします。

  • 期限のない在庫についても破損等により価値低下のリスクがあります。
    よくあるのは工場に山積みになっている加工済みの*1仕掛品を作業者が誤って倒してしまい不良品となるケース等です。

  • 絵画など特定の製品を除けばほとんどの在庫が時間の経過に比例して価値が減っていきます。一般的には半期に1回程度在庫の価値を評価し必要に応じて*2簿価の切り下げを行います。

棚卸回数の削減

  • 棚卸とは実際の在庫数を確認し帳簿上の在庫数が実際の在庫数となるように
    調整する作業です。在庫の精度が悪いとすぐに実際の在庫数と帳簿上の在庫数に乖離が発生するので頻繁に棚卸を行わなければなりません。
    逆に在庫の精度が良ければ棚卸は年に1、2回程度行えばよいでしょう。

販売機会の損失防止

  • 在庫数が少ないと販売機会を逸してしまうリスクが高まります。通販サイトを運営していたとしてユーザーが購入しようとしタイミングで在庫が無ければそのユーザーはがっかりして他のサイトで購入するでしょう。

レジャー、アクティビティ領域における在庫管理

レジャー、アクティビティ領域においてはある定められた入場制限数に対する空きを在庫と表現します。ただしこの場合在庫は物理的な物ではなく空いているという状態を指します。ロジスティックな在庫と比較し複数の概念が実質的に異なっています。下記はロジスティック在庫vsレジャー、アクティビティ在庫の対比表です。

概念 ロジスティック レジャー、アクティビティ
ロケーション 倉庫 拠点×日付毎
入庫 入荷 予約枠の上限を設ける
出庫 出荷 予約
計画外入庫 *3戻入、返品 キャンセル
計画外出庫 *4仕損に伴う出庫 当日来場
理論在庫 業種により管理する 管理する

在庫数 = 入庫数 - 出庫数となることに違いはありませんがそれ以外の概念については異なる点が多いです

ロケーション

  • 日付毎に在庫を管理します。例えば12月5日と12月6日ではそれぞれ別のロケーションとして扱いますので12月5日の在庫数は12月6日の在庫数に影響しません

入庫

  • 実際に入庫行為は行われずパートナーが予約枠の上限を設けたタイミングで在庫が発生します。

出庫

  • ゲストが予約した時将来の出庫が約束されます。厳密にはゲストが来場し着券した時に出庫が確定します。

計画外入庫

  • 予約済みのゲストが予約をキャンセルした場合、計画外の入庫となります。

計画外出庫

  • 予約なしにゲストが当日直接来場した場合、計画外の出庫となります。

理論在庫の管理

  • ゲストの予約が完了したタイミングではまだ実際に来場しておりませんのでこれは将来の予定となり理論在庫となります。

提供できる価値について

レジャー、アクティビティ領域においては誰にどんな価値が提供できるでしょうか?現状下記のような価値提供が可能かと考えております。

ゲストへの価値提供

  • 入場が保証されるので早朝から並ばなくても良い
    • 在庫を確保できればひとまず入場できることは確定します。
      チケットがあっても入場制限などありますから必ず入場できるとも限りませんのでその場合確実に入場するには朝早くから並ばなくてはなりません。
       
  • 地方から来場するゲストも平等に遊びを楽しむ機会が得られる
    • 入場が確約されない場合遠方からの来場はとてもリスクが高いです。
       
  • ある程度当日の混雑状況が推測できる。
    • カレンダーで現在の在庫状況がわかればすいている日と混雑している日がある程度把握できます。

パートナーへの価値提供

  • 快適な遊び体験を提供できる
    • 会場のキャパシティ対し余裕のある在庫上限を設ければゲストの混雑を回避できます。
       
  • スタッフのスケジュールを調整したり、チケットの価格含めた販促活動に利用できる
    • 混雑する日は交通整理のスタッフを手配したり閑散期にはチケットを安価にして集客を促進したりできます。

アソビューが解決すべき在庫管理における課題

アソビューでは今後、在庫管理における下記の課題について取り組んでいきます

ゲスト課題

  • 車で来場する場合は駐車場確保のため並ぶ必要がある

  • レジャー施設の在庫を確保できても交通機関や宿泊施設の予約が別途必要

  • 人気のイベントなどは予約が取れない

パートナー課題

  • 在庫数適正数の根拠が明確になっていない

  • 在庫の集計方法や断面がパートナーにより異なる

まとめ

結局アソビューにとって良い在庫管理とは何でしょうか?
残念ながら私自身いまだその解答には至っておりません。

ただぼんやりとではありますが弊社のミッションでもある生きるに遊びを!にその答えがあるのかもしれません。今後もゲスト、パートナー様により良いサービスを提供できるよう日々精進していきたいと思います。

アソビューでは一緒に働くメンバーを大募集しています! カジュアル面談もありますので、少しでも興味があればお気軽にご応募いただければと思います!

www.asoview.com

*1:製造途中の段階で未完成の状態の製品のことであり、原材料を少しでも加工している製品のこと

*2:在庫の劣化による損失のこと

*3:普通"れいにゅう"とか"もどしいれ"などといわれ、いったん倉庫から出庫された在庫品が、良品にもかかわらず返庫されることを指す

*4:一般的に、仕損じた(加工などに失敗した)物品そのものを指す