こんにちは。デザインリードを担当している山中です。
最近、AIという言葉が話題沸騰ですね。機械学習、Deep Learningなどの技術進歩が凄まじく、自然言語処理、画像認識、音声認識などの分野で、いい感じの塩梅でアウトプットを出してくれているといい評判を多く聞きます。
ChatGPTに様々な「タスク」をしてもらう検証を多くの方々が実施していて、私自身も「リサーチ」「アイデア出し」「長文の要点まとめ」「英訳や日本語訳」など、ひとり作業だと地味に時間がかかってしまう「タスク」をお願いしています。
そこで今回は、「クリエイティブ制作(ロゴ / ポスター / バナー )」にもAI(ChatGPTとMidjourney)を活用できないかを実際に試してみました。
AIを活用する、ということ
まずはじめに。。。 現時点では、AIは最初から最後までタスクをやってくれるわけではありません。人間とAIの役割を以下のように捉えております。人間はAIにはまだできない『決めていく』が可能です。※2023年4月現在
- 人間
- 企画や課題設定、仮説立て
- 『決めていく』
- AI
- アイデアだし、長文要点整理、壁打ち相手
画像生成AIは「Midjourney」
画像生成AIはいくつかありますが、今回は「Midjourney」を使用しました。 とある美術コンテストで優勝した経緯があるのと、version 5になって、生成される画像のクオリティがより高くなった点が決め手です。フォトリアル、イラスト、絵画、アニメ風など得意分野が多くあり、利用者のプロンプトがみれて真似できる点がとても良いです。
プロンプトに下記を入れるだけで、このクオリティの高さです。
cute cat
Midjourneyで生成した画像の著作権に関して
利用規約はここに記載されています。
現時点では、有料プランに加入していれば生成した本人に著作権があるようですが、利用方法には注意が必要です。
いま話題の画像生成AIツール紹介
Adobe Firefly
AbodeのAI画像生成ツールです。Adobeのソフトウェア、Illustrator上で利用が可能になり、高品質の画像生成機能やテキストエフェクトを提供。
Canva
写真、イラスト、3D、ペイント、パターンなど、多種多用で活躍してくれる画像生成ツールです。基本文法を理解すれば日本語でも生成可能です(データは英語の方が多いです)
SNOW
AIアバター機能を使って、自分の顔そっくりのアバターを自動で生成してくれます。
Visual ChatGPT
ChatGPTとVisual Foundation Modelsを組み合わせ、CHATに画像を表示してくれる画像生成ツールです。対話方式で画像生成ができるため、使い勝手がよさそう。
今回試したクリエイティブ制作
AIを活用して以下のクリエイティブ制作を行ってみました。
- ロゴ
- パッケージ
- ポスター
- バナー
(エンジニアとの協業が必須な、webやアプリのUIデザインがAIで作れるようになるのは少し先の未来の話のようです。FigmaやXDでのデータ構築の業務はまだなくなりそうもないです)
ロゴ
適当にプロンプトを入れて画像が生成されるので、ここからベクターデータに変換すればつかえそうなものばかりです。
▼美容系のブランドロゴ
▼ライオン、鷹をモチーフとしたロゴマーク
<ChatGPT × Midjourneyの活用例>
▼ChatGPTを活用しプロンプト文を作ってもらいます
▼Midjourneyで上記プロンプト文で生成した画像です
いい塩梅のロゴを生成してくれるので、PinterestやDribbbleなどで探せないアイデアがほしい時に使ってみても良いかもしれません。
パッケージ
ロゴと同様に、ChatGPTでコーヒー豆のパッケージと指定してプロンプトを書いてもらいます。
▼Midjourneyで上記プロンプト文で生成した画像です
ロゴ同様に、いい塩梅でパッケージデザイン案をだしてくれますが、ベクターデータではないので、アイデアがほしいときに使えます。
ポスター
とある動物園(水族館含む)近くの駅に貼ってそうなポスターを作ってみました。
各役割は以下の通りです。
- Midjourney
- 8種の動物画像をつくりあげる
- ChatGPT
- 8種の動物のキャッチコピーを考案してくれる
- 人間(私です)
- プロンプトを考案してAIへ
- 動物の絵の方向性を決める
- リアルな写真でも良いが、見た人が立ち止まりそうなインパクトがあるものを選択
- キャッチコピーの方向性を決める
- 何度か依頼方法を試したが、家族愛が強めのものを選択
- 上記の素材をもとに組み立てる
このタスクを人間のみで地道に作り上げるのには、膨大な時間と気力が必要ですが、AIの技術により、短時間で素材は集まってしまいます。
▼Midjourneyで生成した画像(一部抜粋)
▼ChatGPTで生成したキャッチコピー(一部抜粋)
▼人間(私)が、ポスター風に仕上げる
人間とAIで各作業工程のアウトプットをわけて考えることができれば、最終的に素材を組み合わせていくだけなので、このようなポスターの構成だと30分もあれば完成します。
もっとも作業時間が必要だったのは、Midjourneyでのプロンプト文を書いていく工程で、1時間ほどです。
各工程に要した時間:
- 企画を考える
- 10分
- ポスターの構成案を考える
- 10分
- Midjourneyのプロンプト文を作り画像生成する
- 60分
- ChatGPTでキャッチコピーをだしてもらう
- 10分
- 素材を組み合わせてポスターのかたちにする
- 30分
- 合計
- 約120分
実際の業務だと考える時間や見直しにもっと時間は必要になってくるかと思いますが、今回は実験で行っています。ですが、120分で終わるようなクオリティのアウトプットではないと感じます。
バナー
某企業でのバナーのA/Bテストで、画像生成AIが作った素材の方がCVR高いバナーもあった。と、少し前に記事になっていたぐらいです。 A/BテストをどんどんしてCVRをあげていく工程でAIは必須なツールになっていくのかもしれません(もちろん、ブランドイメージを崩さない範囲で)
まずは、ChatGPTに広告バナーを構成する要素を聞いてみた。
基本的な構成要素は、ChatGPTがしっかりとサポートしてくれる。
たまに、重要なところを忘れていることもあるので、いい相棒として機能してくれる。
今回は、画像検索でInstagram上での広告バナーをランダムで選んだものを真似て作成し、2種類でA/Bテストできるようにしてみました。
▼Midjourneyで「部屋」を生成
- 家具に明るい色がある、家具は木目調のみ。
- 部屋の明るさは、間接照明を入れる、太陽光のみ。
- ラグで高級感を出すか、フローリングで質素感か。
で、この仮のセミナーのCVRに差異があるかA/Bテスト。
▼Midjourneyで「女性」を生成
女性は、写真かイラストかを測ることができます。
▼Midjourneyで「男性」を生成
投資というイメージにあうのは、スーツを着た方か、ラフな方かを測ることができます。
▼Midjourneyで「猫・犬のパイロット風」を生成
完全に遊んでしまいましたが、、猫・犬とパイロットとの相関性がないため、単純にどっちの写真の方がいいか、でA/Bテストしても良いときもあると思います。
このように、バナーのクリエイティブ制作においても、画像素材を短時間で生成することが可能です。A/Bテスト用のバナーを数点用意することも短時間で可能になります。
まとめ
ChatGPTとMidjourneyを使ってクリエイティブを制作する実験を行いましたが、全部の工程をすべてお願いすることは、まだ不可能です。あくまでもサポートツールです。それぞれの得意分野を理解して活用すれば、時間短縮になるタスクがまだまだあると感じました。
多くの意思決定が必要な場面では、AIが提案してくれた選択肢やアイデアの中から人間が決めていくことが不可欠だと今回の実験でも思いました。
今後、実際の仕事上で活用してみた話も書けたら書いてみようと思います。
おまけ
Midjourneyで試しに生成している一部を貼っておきます。※プロンプト文は貼りませんw
▼「桜」をイメージした指輪
▼ LP
▼ イラスト風でPCに向かう女性
▼ 香水が入ってそうなボトル
▼ テントをベクターデータ風に
▼ ハンバーガー
▼ リビングルーム
▼ 女性
▼ 男性
▼ スマホケース
▼ ビーチではしゃぐ人たち
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