開発チームが開発生産性に対して裁量権を持つ重要性

アソビューでエンジニアリングマネージャーをしている服部です。

事業会社で自社ITサービスを運営しているプロダクト開発組織は開発において様々な裁量権を持っています。
アソビューのプロダクト開発組織にはプロダクトマネージャー(PdM)、CTO、TechLead、エンジニアリングマネージャー(EM)、開発チームの大きく5つの役割があります。

今回は開発チームが持っている裁量権の重要性に関して考えていることを書いていきます。

プロダクト開発組織が持つ裁量権とは

まず、事業会社のプロダクト開発組織はどういった裁量権を持っているのでしょうか。
会社の組織構造や文化・事業戦略等に依存しますが、下記のような裁量があると考えています。

  1. プロダクトの機能と優先順位の決定
  2. リリース計画とスケジューリング
  3. 技術選定とアーキテクチャの設計
  4. 開発手法・プロジェクト進行管理方法の選定
  5. ユーザーリサーチ手法の選択
  6. 予算管理と人員配置

プロダクト組織全体だと1~6の裁量権はありますが、 「実行する責任はあるが、説明する責任は無い」等、責任の範囲がプロダクト組織内に存在する役割に依存していることが多いと考えています。
アソビューのマーケットプレイス事業での開発を例に、RACIマトリクスを用いて役割と責任の所在を見える化することで、実際にもつ裁量を見える化してみます。

RACIチャート
R: 実行責任(Responsble) A: 説明責任(Accountable) C: 協業先(Consulted) I: 報告先(Informed)

このチームの場合、「リリース計画とスケジューリング」と「開発手法・プロジェクト進行管理方法の選定」に実行と説明の責任、また「技術選定とアーキテクチャの設計」に協業先としての責任を持っています。
他の事項に関しては報告を受ける立場ではありますが、明確な責任はありません。

「リリース計画とスケジューリング」と「開発手法・プロジェクト進行管理方法の選定」と「技術選定とアーキテクチャの設計」に裁量を持っているということは、
「最短でプロダクトを成長させるために、今いる人数で利用する技術や開発手法を工夫する」ことに責任があると同義であり、チームの開発生産性に裁量を持っていると言い換えられます。

事業成長とプロダクト開発の関係

事業の成長にプロダクトの成長は欠かせません。
休日の便利でお得な遊び予約サイト「アソビュー!」ですと、

  • 新しい商品を陳列するための開発
  • 商品の情報を豊富に掲載するための開発
  • ゲストがもっと商品を見つけやすくするための開発
  • etc…

挙げ始めるとキリがないですが上記のような開発をなくしては、事業は緩やかな成長しか見込めません。
プロダクト組織の開発生産性が事業を左右すると言っても過言ではありません。

リリースの期日を自由に変更できるという勘違い

採用面談をしていると、「事業会社なので開発チームでリリースの日程を決められるんですよね?」
と聞かれることがありますが、これに対しては半分YESで半分NOです。
SESや受託開発はリリース期日が決められており、それに間に合わせるための契約をしているため、原則リリース期日を受託会社からの提案で変更するということはできません。
事業会社であれば、社員は直雇用なのでリリース期日を緩めることができる。と思われている方がいらっしゃるのかもしれません。ですが、事業会社は事業成長とプロダクト開発が密接に関わっています。
リリースの期日をチームに任せてはいますが、緩めることを許容しているわけではありません。
リリースの期日を緩めるのは、事業成長を鈍化させており最終的には自分たちの首を締めていることになるからです。

ただし、例外として緊急対応が重なってしまったり、着手中案件よりも優先度が高いものをどうしても実施する流れになった場合は上記の限りではないです。

持っている裁量権を工夫して、事業成長に貢献してほしい

事業会社のプロダクト開発組織では弊社と同じように、開発生産性に対して開発チームが裁量権を持っていることが多いのではないでしょうか。
開発生産性に対して責任を持っているということは、事業成長を推進するのも停滞させるのも開発チームに委ねられていると言っても過言ではないです。
スクラム開発をやっているけれどウォーターフォールに変えてみるだったり、CI/CDの高速化を専門チームに任せずやってみる、などなど既存の枠組みにとらわれずやれることはたくさんあると思います。

開発チームには、持っているこれらの裁量権を駆使して、どうすれば事業成長に貢献できるか考えて行動してほしいと考えています。

最後に

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