開発組織におけるマネジメントのアプローチ。プロダクト・プロジェクト・ピープルの3種を改善する方法

はじめに

アソビュープロダクトマネージャーの野上です。
今回は、私が担当している開発組織におけるマネジメントのアプローチについて紹介します。

私の担当について

アソビューに入社してプロダクトマネジメントをメインに25名程の開発組織のリーダーも兼任しています。
弊社メイン事業であるウラカタチケットのプロダクトマネジメントを担当しており、ビジネスと開発をつなぐ役割も担っているためステークホルダーとしては80名超の方とお仕事させてもらっています。
メイン事業のプロダクトマネジメントをしながらチームのマネジメントも兼任している背景から、どのようにマネジメントを行い推進していくかについて少しでも参考になれば幸いです。

背景

昨年11月に入社してすぐ今のポジションを担当させていただいたのですが、着任してすぐいくつか課題が見つかりました。

  • 事業計画と開発計画が紐づいていない
  • 開発優先度が明確になっておらず、また納期設定がされていないまま開発が進んでいる
  • 開発チームメンバーにて役割が明確ではなく、メンバー同士で会話がされていない

こういったチーム状態だったためビジネス側からも「プロダクトマネジメントに加え開発チームを立て直して欲しい」という声を頂いてました。
私自身も事業成長するために必要な開発組織でないことに危機感を覚えたため、どうすれば良いのか課題を整理することにしました。

3つのマネジメントにて整理する

整理した結果、改善すべき点を「事業軸」「案件軸」「人軸」の3つの軸に分けることができました。幸いにも開発チームメンバーの開発スキルに関しては優秀な人が多く技術面に関してはさほど触れる必要はなかったため、マネジメントを整理してメンバーと認識を合わせて推進できれば解決できると思いました。なので、3つの軸について3つのマネジメントをすることを決めました。

  • 事業軸:プロダクトマネジメント
  • 案件軸:プロジェクトマネジメント
  • 人軸:ピープルマネジメント

実際に3つのマネジメントについて整理した上でやるべきことを定義した内容はこちらです。

では、3つのマネジメントについて取り組んでいることを紹介します。

プロダクトマネジメントについて

プロダクトマネジメントの役割は会社・業種業態・組織・事業フェーズによって異なりますが、プロダクトマネージャーとして一番大事なことは「事業成長のために一番ボトルネックになっている課題を改善し続けること」だと思っています。
私が着任して一番の課題だったのは「事業計画にあったロードマップになっていない」ことでした。そのためロードマップを作成するために

  • 事業計画の理解
  • 各ステークホルダーが担当しているKPIの理解
  • パートナー様(ご契約頂いている企業様)が抱えている問題

この3つの事項を重点的に理解するようにしました。とにかくビジネス側と認識があっていないと正しく開発の推進ができないためビジネス側のキーマンにひたすらヒアリングを行いました。さらにパートナー様が抱えている問題を理解するために毎週営業チームに商談を入れて頂いています。
事業計画にあったロードマップを作成するとなるとどうしてもGMVと利益のみにフォーカスされがちですが、それだけではなく企業様の声も理解することで新しいGMVと利益を作るための開発のみではなく運用改善のバランスを取れたロードマップにすることを意識しました。ロードマップを作成するにあたってSLOなど保守も重要であるため開発リソースの余幅も意識するようにしています。

ロードマップについては週1回事業責任者とアップデートのすり合わせを行うことで事業計画と開発の進捗のずれがないようにしています。ロードマップにて事業と開発との接続を実施しています。さらに私自身事業の成功に責任を持つために目標設定に関しては事業責任者と同じ目標(事業計画の数値)を設定しています。そうすることで事業計画を達成するために開発をコミットメントしていくこととビジネス側と開発が一体となることができていると思っています。
※プロダクトマネジメントの詳細については、別のブログで紹介できればと思います。

プロジェクトマネジメントについて

プロジェクトマネジメントについて重要なことは開発案件遂行するために「プロジェクト体制をしっかりと構築し効率良くプロジェクトを完成まで導くこと」です。
プロジェクトマネジメントにてやるべきことを主に3つ定義しました。

  • ロードマップに沿った開発計画の作成
  • 開発計画に沿った開発進捗管理とリソース調整
  • 案件毎に要件定義作成と要件スコープの調整

プロダクトマネジメントにてビジネス側と開発が接続されロードマップも作成できているためプロジェクトマネジメントについてはロードマップに沿って開発計画を作成して案件を遂行していくことがメインになります。
ロードマップにて優先度や納期が整理できるようになり開発スキルに関しては大きな課題ではなかったため、プロジェクトが効率良く推進できるようになりました。

ピープルマネジメントについて

一番大事にしていることは「マネジメントコスト = 人数*時間」にならないようにすることです。理由としては兼任しているためプロダクトマネジメントの時間を確保するために開発の部分については役割を明確にして開発メンバーに裁量を渡すようにしています。

  • ビジネス側とのコミュニケーションをどのように取るか
  • 開発することによってどういった問題解決をしたいかという部分のみを伝えてそれ以降の工程は任せる

これらの裁量を渡すことでメンバー自身が考える機会となり、チームの成長に結びつきます。 任せる上で大事にしていることは

  • 狙いを伝える
  • 失敗をしても怒ったりしない、すぐに課題を明確にしてメンバーと話し合い改善点をすり合わせる
  • チャレンジした上でキャパオーバーするものは手伝うまたは他のメンバーにサポートしてもらう

こういったことを意識しています。裁量を渡すことと丸投げすることを勘違いしがちであるため、そうならないように気を付けることが必要です。

また、特に繁忙期になるとどうしてもタスク消化を優先とし会話が減ってしまうため、チームメンバーと雑談会を月1設定しています。その際は私は聞き役となり近況や心境を聞くようにしています。私だけではなくチームメンバー同士の相互理解にもつながります。お互いを知ることでお互いを配慮したコミュニケーションができるようになり必要に応じてメンバー同士で会話する機会が増えたと思います。

まとめ

マネジメントのアプローチについて紹介させて頂きましたが、なぜそれが必要かは事業成長するために課題解決することが大事でそのためにマネジメントが必要だと思ったからです。
私自身常にどんな課題があっても必ず前に進めるというのを意識し、これを体現していくことで周りからの信頼も勝ち取れ、更に自分に情報が集まりやすくなる好循環が生まれると思っています。 ここで前に進めると表現したのは、必ずしも自分で解決する必要はないと思っています。重要なのは「野上に聞けば何かしら前に進む」と周りから思ってもらえることが大事なので、自分で解決してもよいですし、解決に適任な人に繋ぐこと自体にバリューがあると思っています。
まだまだ課題はありますが、事業成長するために開発組織として前進しています。メンバーも増える予定なためより裁量を渡していき私はメインであるプロダクトマネージャーに専念し事業をリードできるようにしていければと思います。

最後に

アソビューではより良いプロダクトを世の中に届けられるよう共に挑戦していくエンジニアを募集しています。 カジュアル面談もやっておりますので、お気軽にエントリーください! お待ちしております。 www.asoview.com