アソビュー!のカレンダー | Advent Calendar 2023の15日目(裏面)の記事です。
アソビューでバックエンドエンジニアをしている川又です。
今年も残すところあと半月を過ぎましたが、12月といえば何を思い浮かべるでしょうか?
・・・そうです、ふるさと納税です!
皆さんもう寄付しましたか?
- 年末に寄付すればいいやと期限ギリギリに焦って返礼品を探す、のんびり屋なあなた
- ふるさと納税って何?申請とか複雑そうだし良くわからないという、面倒くさがりなあなた
- もう返礼品で冷凍庫がパンパン。特に欲しいものないし、物の返礼品はもういいかなという、そこのあなた!!
そんなあなたのために、「アソビュー!ふるさと納税」を11月21日に公開しました!!
「アソビュー!ふるさと納税」は、同じく弊社が運営するサービス「アソビュー!」で使えるクーポンを返礼品として受け取ることができる、 体験型返礼品を提供するふるさと納税ポータルサイトです。週末遊びに行きたい、今年の夏に旅行に行きたい、そんな目的地の自治体に寄付することでお得に遊びに行くことができます!
また今年の6月に総務省から「ふるさと納税の次期指定に向けた見直し」が発表され、ふるさと納税ポータルサイトに掲載する自治体に対し、返礼品に関するルール変更が入りました。
そのため制度変更適用となる10月以降、自治体はできる限り経費を抑える必要がありましたが、「アソビュー!」上で使えるクーポンであれば返礼品発送にかかるコスト・工数を削減できます。
まさに寄付者、自治体にとってWin-Winなサービスです。
そんな出来立てほやほやのサービスですが、タイトルにもある通り
エンジニア 1人、プロジェクトスタートから約5ヶ月でローンチを実現させました。
この記事では、ふるさと納税事業を予定通りリリースするために意識した3つのことについてご紹介したいと思います。
はじめに
ふるさと納税事業は今年の5月頃から要件定義などの準備期間を経て、7月から本格的にプロジェクトとしてスタートしました。 準備期間では主にユーザーストーリーマッピングを実施しました。この取り組みについては以下の記事で詳しく紹介していますので、是非ご覧ください。
始動したプロジェクトのメンバーは以下の通り計3名です。
- 開発メンバー1名
- エンジニア(スクラムマスター兼開発者)
- 事業部メンバー2名
- 事業責任者(プロダクトオーナー)
- 営業担当者
私自身、スクラムマスターの経験はありますが開発者も兼任して一人で新たなサービスを作るのは初めてのことでした。 またアソビュー入社以前は長いことSIerで受託開発を主に担当していたため、エンジニアではない社内の事業部メンバーと密にやり取りすることも初めてでした。
初めてだらけでスタートしたプロジェクトを新規事業としてリリースするために、スクラムマスターとして、開発者として、意識したことをいくつかご紹介します。
意識した3つのこと
エンジニアと事業部メンバーで検査・適応・透明性のあるチームを作る
アソビューのプロダクト開発のほとんどがスクラムで行われており、ふるさと納税事業もスクラムで開発を進める方針としました。しかし、事業部メンバーはエンジニアと密にコミュニケーションを取りながら事業を推進した経験が少なく、当然スクラムというものも知りません。
そこでまず、エンジニア同士の勉強会でスクラム勉強会を開催し、事業部メンバーにも参加して聞いてもらいました。
スクラムとは何か、ウォーターフォールとの違いは何か、実施するスクラムイベントや各ロールの責任について説明しました。
この勉強会を通して、これから自分たちが取り組もうとしていることは前例がなく誰も正解を知らないので、細かく検査して少しずつ適応していきながら、ユーザーに素早く価値を届けるためにはどうしたら良いかを常に考えていこう!と伝えることに注力しました。
また、検査と適応が必要なのはスクラムチームに属するメンバーだけとは限りません。
営業担当メンバーが感じた課題も新規プロジェクトにおいてはチーム全体の課題ですし、もし営業活動に苦戦している場合、プロダクトに魅力がないのかもしれません。
せっかくプロダクトが完成しても、掲載していただける自治体が0ではプロダクトの価値も0になってしまいます。
本来はプロダクトオーナーが主導でバックログの優先順位を決めプロダクトの価値を最大化できるよう努めますが、事業部メンバーも少数精鋭のため、事業責任者はなかなかバックログの整理に時間が割けません。 そこで、スプリントプランニング・スプリントレビュー・スプリントレトロスペクティブといったスクラムイベントを事業部メンバーも合わせた3名全員で、かつ対面で実施しました。全員で実施することで、スプリントで完成したインクリメントを営業担当が直接確認することができますし、営業活動で受けたフィードバックを受けてバックログに反映させることができます。また営業活動で出た課題を振り返りカイゼンを一緒に考えることで営業活動の適応も行えます。
こういったチーム作りはローンチしてから運用に入っても効果を発揮しており、営業担当メンバーが吸い上げた自治体からの不具合指摘や改善要求がエンジニアに即座に共有され、よりスピード感を持ってプロダクト改善を行うことができています。 このように少数精鋭でスピード感が求められる新規事業においては、各個人のロールは関係なく、メンバー全員の透明性を担保しつつ一緒に検査・適応して行くことが、プロダクトの価値を高める近道だと感じました。
MVPのためには、手段を選ばない
このプロジェクトの中で一番何が大変だったかと聞かれたら、まず真っ先に答えるのがMVP (Minimum Viable Product)を意識して、1stリリースに含めるユーザーストーリーを取捨選択し、それを実現するための方法を考えることです。
新規事業に意気揚々とアサインされたメンバーは、誰しも皆理想とするプロダクト像をイメージしてユーザーストーリーマッピングに臨みます。そうすると、ローンチまでに無くてはならないユーザーストーリーが大量に溢れてしまい、これで本当に予定通り終わらせることができるのか不安に駆られてしまいます。
リーンスタートアップにおけるMVPとは、アイデアや仮説検証のために作成するユーザーが実用可能な最小限の機能を備えたプロダクトのことを指します。 今回の新規事業において検証したいことは、「アソビュー!」を通して体験型返礼品を提供するふるさと納税ポータルサイトが寄付者や自治体に提供できる価値・将来性であり、ローンチがふるさと納税のピークである12月を過ぎてしまっては、検証できるのが1年後になってしまいます。
そこで、無くてはならないに選ばれたユーザーストーリーに対し「これって本当に必要なの?」と問いかけるのではなく「これを実現させるためにはシステムで自動化しなくてもできるんじゃないか?」とメンバーに問いかけます。そうすることで「これは人力でできるんじゃないか?」「あのツールを使えばできるんじゃない?」という議論に発展し、本当に開発が必要なユーザーストーリーに絞ることができます。
こちらのNoteでも紹介されている通り、例えば車というMVPを作るにはスケボーやスクーターから出発するのは疑問であり、検証したいアイデアによってはエンジンの代わりに手で車を押す場合もあるのではないかということです。
まさにこの車が、この新規事業においては「アソビュー!」を通して体験型返礼品を提供することができるふるさと納税ポータルサイトに当たります。寄付を募ることができるポータルサイトさえあれば、手段を選ぶ必要はありません。
セルフマネジメント
1stリリースに含めるユーザーストーリーと実現方法が決まれば、あとは黙々と開発を進めるだけです。
ただエンジニア一人となると誰かとコミュニケーションをとる機会が少ないため、開発期間中は孤独との戦いが続きました。
そんな時にはウェルカムランチやオンボーディングランチといった弊社の制度を活用し、他チームで働くエンジニアとのリアルなコミュニケーション機会を増やしていきました。
こういった制度は元々アソビューに新しくJOINしたメンバーのコミュニケーション促進を目的としていますが、そういった方々に新規事業について説明し感想や意見をもらえるため、私にとっては非常にリフレッシュできる時間となりました。
アソビューの制度については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
また精神面だけでなく、一番意識したのは身体的な健康でした。
体調を崩してしまうとダイレクトに開発が遅れてしまいますし、それをカバーしてくれる人は誰もいません。
何か特別な健康法は実践していませんが、きちんと食事を摂り必ず睡眠時間を確保するといった基本的なことを意識することで、大きく体調を崩すことなくリリースまで走り続けることができました。
最後に
色々試行錯誤しながら事業部メンバーと作り上げた「アソビュー!ふるさと納税」ですが、ローンチできたからこそ分かった課題がたくさんあります。サービスとしてはまだスタートラインに立ったばかりなので、これからより良いサービスにできるよう頑張りたいと思います!
そんなアソビューでは一緒に働くメンバーを大募集しています! ご興味をお持ちのエンジニアの方がいらっしゃいましたら、カジュアル面談もありますので、お気軽にご応募いただければと思います!