データからユーザーの感情を読み取り、アプリに反映させた話。アソビュー!全面リニューアルの裏側

こちらの記事はアソビュー! Advent Calendar 2023 の18日目です。🎄

こんにちわ。アソビューCPOの横峯です。

もうすぐ2024年ですね!24という数字はなんか好きです。
24といえばジャック・バウアーや昨年引退されたイニエスタ選手のバルセロナ時代の最初の背番号ですね。 24番のときのイニエスタが一番好きです。

弊社はこれまで約1年半さまざまなデータを活用できるよう基盤を整理し分析をしながら施策を進めてきました。 これまでの基盤構築や活用の話はこちら

tech.asoview.co.jp

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基盤構築に関しては直近データエンジニア霧生が書いてくれたこの記事が一番まとまっています。

whatweuse.dev

協力頂いているdataleさんのおかげで約一年で、DBにある商品、CVデータ、GAにあるアクセス関連のデータまでつなげたデータマートが出来上がっています。
まだまだ要素を追加している最中ですが、ここまで約1年でこれたことは奇跡的だと思っています。改めて優秀なデータエンジニアたちに感謝です。

今日は基盤が一定整ったあとの話をしたいと思います。

データから読み取るべきたった一つの大切なこと

結論を先に。 データは集めるためにあるのではなく、活用するために集めます。

集めたあと何を見出すか。それは感情だと思っています。

ここでデータと言っているのはDBにある顧客の購買や、GAから取っているサイト、アプリ内のアクセス、クリックログなどです。
一般的にデータ活用というと、集めたデータを集計して表を作り、デモグラごとの分布などを見る。 その結果として以下のような示唆が現れることが多いと思います。

  • これを買っている人は男性が多い
  • こっちの商品はYoYで他に比べて伸びてる
  • 20代女性にはこのクリエイティブが刺さる

これはこれで重要な事実です。まずこの示唆がないとこの先にいけないことも多いと思います。

ただ、ここには実際の顧客がいない。
集計した事実を並べただけで、顧客のインサイトは含まれていません。

これを更に深堀りなぜこの行動になっているのか、それはユーザーのどのような心理から起きているのか。
言われてみれば当たり前だと思いますが、データ活用、分析というときに抜けがちな観点は顧客の感情だと思います。

アソビュー!でデータから感情を読み取れていなかった例

アソビューは直近メインで注力するユーザーをファミリーと捉え、サービスを磨いてきました。
データ分析からファミリーのLTVが一番高いこと、さまざなまインタビュー、調査からファミリーがお出かけに一番困っていることが明らかだったためです。
ファミリーのユーザーを徹底的にN1で分析をし、何を買っていただいているか、何を見ていただいてるかを分析し顧客の理解を深め施策を実行していきました。

「N1をやっていなかったら、今、うちはなかったかもしれない。」アソビュー宮本×西口一希対談 (1/3):MarkeZine(マーケジン)

10分後の“確認”で売り上げ2倍 アソビューのN=1メルマガ戦略:日経クロストレンド

ファミリーの数字は戦略通り少しずつ伸びていき、実際に僕の周辺のパパ、ママからも「使っているよ!」と声を頂く機会が増えたと思います。 ファミリー層に限っては認知もここ数年で一気に伸びています。

一方、ファミリー以外の属性のペルソナに関しては数字は停滞していました。
ファミリー注力なので、特に気にしないくらいの感覚で最初は数字を見ていました。
文字とおり数字を見ていただけで、ファミリー以外のペルソナの方にどういう感情が生まれているかを見れていませんでした。

集計されたデータを見るとファミリーは伸び率が高く、LTVも引き続き高い状態を保っている。 一方その他のペルソナは伸びていないわけではないが、ファミリーほど伸び率は高くなく、LTVは微減していました。 LTVの微減から一定のヘビーユーザーの方々が離脱していることがわかります。 週次で各種数字をモニタリングしているので、この数字の変化自体はかなり前から気づいていましたがそこで起きている「感情」に目を向けられていませんでした。

ある日たまたま出会った方から「アソビュー!ってファミリー向けですよね!」「僕は使ってないんですけど同僚のパパ、ママはみんな使ってます!」という言葉をポジティブなニュアンスでいただきました。 話してくれている方はアソビュー!を応援したいくらいの気持ちでいてくれてますが、自分向けではないと感じてることが読み取れました。 戦略上の重要、注力顧客をファミリーとしてるが故にファミリー以外のペルソナの方にとっては使えるものではない、自分のためのサービスではないという認知になっていったんだと推測しました。

実際よくよく振り返ってみると、TOPページは子どもの写真で溢れ、メルマガもファミリーでお出かけする際のおすすめが多い。 商品自体もファミリーの方がよくいくスポットの掲載を進めたため、意識しなければファミリーの以外の方にとって魅力的ではないかもしれない商品が並ぶことになります。 計測している数字とその変化から気づかないといけなかったことは、ファミリー以外のペルソナの方に起きていた「自分向けじゃないな」という感情だったんだと思っています。

ReBORN

改めてここに向き合うべく、アソビュー!は2023年11月にアプリを全面リニューアルしました。 社内的には「アソビュー!ReBORN」というプロジェクトを立ち上げ、すべてのゲストにとって自分ごとと思える、自分のためと思えるサービスに生まれ変わることを目指しました。

リニューアル後のアプリTOP画面

これまでさまざなまな箇所でランキングを作っていましたが、ファミリーのユーザーが増えるとランキングはファミリーの影響が大きくなります。

TOPページの作りから「ファミリー」「友人・カップル」「おひとり」に分けることでそれぞれのユーザーに最適な提案をすることができます。 家族で出かける先とデートでいく場所は似ている場合もありますが、データを見るとラインナップはだいぶ変わります。

タブで出し分けながらファミリーの方にはまずファミリーでのお出かけ提案を。友人とのお出かけにご利用頂くことが多い方にはまず「友人・カップル」のお出かけ提案をというようにTOPのタブの並びを動的に切り替えています。

まだまだ生まれ変わったばかりで、荒い箇所がたくさんあります。
改善したいところだらけですが、少しずつすべてのユーザーにとって自分ごと化、自分向けのサービスだ!と思っていただけるサービスとなるよう磨いていきます。

まとめ

データを分析し、示唆を出し事業、施策の方向性を作っていくことは簡単ではないと思います。
そこで起きていること、その人が何を考え、どういう感情に至っているのか。
人の感情に思考を巡らせながらデータを見ることで得られる示唆があると思っています。

データを集め集計結果を見る、その先にある感情に向き合うことができればどんな事業でもさらに多くの人に価値がある状態に磨いていけるような気がしてます。

アソビュー!もまだまだ生まれ変わったばかりでよちよち歩きを始めようとしてるくらいの気持ちです。
我々が目指す「生きるに、遊びを。」を実現するためさらなる成長と成長の加速が必要です。
ご興味持っていただけた方はぜひこちらからご連絡ください!

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