はじめに

突然ですが、利用時の品質という言葉を聞いたことがある方はどのくらいいらっしゃるでしょうか？

「利用時の品質」における定義として、
ISO/IEC25010で定義された「利用時の品質モデル」があります。
しかし、規格で示された情報だけを見てもあまり実感が湧かないことになりがちなので、具体例を挙げて分かりやすく噛み砕いてみます。

顧客から見た品質を大事にする、「利用時の品質」

ISO/IEC25010で定義された利用時の品質モデルは、
簡単に言ってしまえば「顧客からみた品質を大事にしましょう」
という目的に基づいています。
顧客の色々な角度から見た品質を、どの例でも当てはまるように抽象的なモデルとして表現しています。
今までの品質の定義は、製品としての品質がメインだったけれど、顧客から見てどうかをもっと表現したイメージです。
利用時の品質におけるこの抽象的なモデルは、顧客の色々な角度から見た品質の種類を品質特性というもので定義しています。
この品質特性を、アソビュー！サイトでチケットを購入し、利用するというシーンで置き換えたらどうなるかを考えてみたいと思います。

アソビュー！サイトでの具体的な「利用時の品質」

（注：厳密に合っているかより、分かりやすさを重視して置き換えています）

ISO/IEC25010の利用時の品質モデルにおける品質特性名	副特性名	品質特性の定義	アソビュー！サイトでチケットを購入し、利用するというシーンで満たされる具体例は？
有効性	-	明示された目標を利用者が達成する上での正解性及び完全さの度合い	ファミリー、カップル、友人同士、おひとりそれぞれが、遊びたい内容にピッタリ合った遊びが見つかる
満足性	-	製品又はシステムが明示された利用状況において使用されるとき、利用者ニーズが満足される度合い	-
	実用性	利用の結果及び利用の影響を含め、利用者が把握した目標の達成状況によって得られる利用者の満足の度合い	電子マネーはPayPayしかない人が、PayPayで遊びのチケットを購入できる
	信用性	利用者又は他の利害関係者がもつ、製品又はシステムが意図したとおりに動作するという確信の度合い	クレジットカードで購入した時、正しい金額が請求される
	快感性	個人的なニーズを満たすことから利用者が感じる喜びの度合い	自分では思いつかなかったけど、自分の気分にピッタリ合った良い遊びのチケットが見つかり、チケット購入
	快適性	利用者が（システム又はソフトウェアを利用する時の）快適さに満足する度合い	チケット購入時、余計な入力や画面遷移が少なく、スムーズに購入できる
リスク回避性	-	製品又はシステムが、経済状況、人間の生活又は環境に対する潜在的なリスクを緩和する度合い	-
	経済リスク緩和性	意図した利用状況において、財政状況、効率的な運用操作、商業資産、評判又は他の資源に対する潜在的なリスクを、製品又はシステムが緩和する度合い	他より安く購入できる遊びのチケットがある
	健康・安全リスク緩和性	意図した利用状況において、製品又はシステムが人々に対する潜在的なリスクを緩和する度合い	仕事のストレスで心身に支障をきたしかけたサラリーマンが、ふとアソビュー！サイトを眺めて家の近くに見つけた温浴施設のチケットを購入して利用
	環境リスク緩和性	意図した利用状況において、環境に対する潜在的なリスクを製品又はシステムが軽減する度合い	子連れのファミリーが、子どもの自然体験や環境学習になるチケットを購入してチケットを利用
利用状況網羅性	-	明示された利用状況及び当初明確に識別されていた状況を超越した状況の両方の状況において、有効性、効率性、リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い	-
	利用状況完全性	明示された全ての利用状況において、有効性、効率性、リスク回避性及び満足性を伴っって製品又はシステムが使用できる度合い	スマホの電波が弱い場所でチケット購入やチケット利用ができる IT🔰の方々も、チケット購入やチケット利用ができる
	柔軟性	要求事項の中で初めに明示された状況を逸脱した状況において、有効性、効率性、リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い	海外で日本の遊びのチケット購入して、来日してチケット利用できる

まとめ

品質におけるこの規格も、具体的なシーンを挙げてみると、単純に利用する側にとっての価値に直結していることが分かります。
品質の定義において有名な言葉で、「品質は誰かにとっての価値である」という言葉があります。
利用時の品質において、この「誰か」はサービスを利用する顧客であり、
顧客にとっての価値を提供することそのものを示していることがわかると思います。
「顧客にとっての価値を提供する」という基本的な部分に立ち戻り、今後も品質に対して真摯に向き合っていければと思います。

さいごに

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