こちらの記事は、アソビュー! Advent Calendar 2024の15日目(表面)です。
はじめに
こんにちは!アソビューでエンジニアをしている野口です。
今回は、私たちのチームで実施した振り返りについて紹介しようと思います。
開発を進める中でチーム内で複数のプロジェクトを並行して行うことがあると思います。私たちのチームもまさにそうだったのですが、そんなプロジェクトを通して得られた学びを共有するために先日「タイムライン振り返り」を行ったので、振り返りを実施するに至った背景や、具体的にどのように進めたのかを紹介します。
振り返りを行なった背景
私が当時いたチームには8人ほどのメンバーがおり、複数のプロジェクト(2~3個)を同時に進行していました。その中で、私が担当していたプロジェクトでリリースが予定よりも遅くなってしまったこともあり振り返りを行うことにしました。
プロジェクトの進め方やコミュケーションをとるメンバーは似ていることもあり、他のチームメンバーにも学びを共有できるのではと思い、チームメンバーを巻き込んだ形での振り返りにしています。
アソビューではスプリントレトロスペクティブやプロジェクトの振り返りではKPTで振り返ることが多いです。
ただ、今回の場合だとプロジェクトに直接関わっていないメンバーが多かったため、KPTではアイディアが出にくい状況が予想されました。そこで、プロジェクトの流れを追体験できるような仕組みがあると良さそうだと考え、書籍などを参考に振り返り手法を調べる中で「タイムライン振り返り」を見つけました。
タイムライン振り返りとは
タイムライン振り返りは、プロジェクトを通して起こった事実と感情を両方合わせて書き出していき、全員で共有するための手法です。
どんなことが起こったか、行ったかという事実と、それに対して感じた感情を時系列で並べていきます。
詳細はこちらの書籍を参考にしました。
どのように行なったか
タイムライン振り返りは出来事を思い出す・共有することに使えそうでしたが、次へのアクションへの接続はもう一工夫あると良さそうに感じました。
なので、タイムラインでプロジェクトの当事者から事実と感情を共有しチームで分かち合い、その上でチーム全員でKPTを行うようにしています。
振り返り前の準備
今回はプロジェクトに関わったメンバーが限られていたこともあり、タイムラインの作成は事前に済ませた状態で振り返りを行うことにしました。
まずは以下のような事実情報を時系列に整理しました。
- 要件や設計、開発の開始・終了タイミング
- リリーススコープを調整した日
- 動作確認会を実施した日
- リリース日
そして、そのタイムラインに沿う形で、プロジェクトに関わっていたメンバーに当時の感想や思いをポジティブ・ネガティブ問わず書き出してもらいました。
今回だと以下のようなものがあがりました。
・リリース期日が迫っている中でレビューが早くて助かった
・デイリーとは別で進捗MTGをするようにしたがよかった
・古いコード部分の修正があり慣れない技術でしんどかった
振り返り実施
準備段階でまとめたタイムラインを元にチームメンバー全員で振り返りを実施しました。
当日の流れとしては以下です。
- 事実情報についてファシリテーターから共有する
- 感想や思いについて関わったメンバーが1人ずつシェアを行う
- 気になった点や深掘りしたい点を確認
- 全員でKPTを実施
- TRYの中から具体的なアクションを選ぶ
- 今回の振り返りの振り返りを実施
工夫したポイント
細かい事実情報も記載する
開発・テストの開始日やリリース日だけでなく、「リリース目標日を〇〇に設定した / 変更した」や「動作確認会を実施した」などプロジェクトを進める上で影響がありそうなイベントを書き出すようにしました。
細かい情報を記載することで、どのように開発が進んでいたのか他のメンバーがイメージを持ちやすくなるのではと思い記載するようにしています。
TRYから今後行えるチームのアクションを設定する
TRYは個々人で出していったのですが、そこから次のプロジェクトから実際に行えそうなアクションをチームで話し合い設定しています。
TRYの中にはプロジェクト固有のものだったり、壮大なものがありますが次から活かせるという観点でまとめることでアクションに繋げやすくできればと考えました。
振り返りの振り返りを実施
普段とは異なる振り返りを実施したこともあり、「タイムライン + KPT」という振り返りについて感想を出し合いました。
KPTがしやすくなったという意見や、タイムライン振り返りで記載した感想とKPTでの内容が被っており2度同じことを書くことがあったなど進める上での改善が見つけることができました。
タイムライン振り返りを行なってみて
よかったこと
- プロジェクトに関わっていない人でもKPTでコメントを出すことができていた
- 時系列にすることで客観的に出来事を見ることができProblemが見つけやすかった
- なぜそのアクションになったのかの背景情報を共有できた上で、次へのアクションをチームで決めることができた
改善点や感じた課題
- 事実情報を集めるのに時間がかかってしまった
- SlackやJIRAチケットのコメントやコンフルエンスのドキュメントなどでやり取りをしていたため、いつ誰がコミュニケーションをとったかの情報収集に時間がかかってしまいました
- タイムラインの部分だけ当事者で集まって実施してもよかった
- 今回は各々非同期でタイムラインの感想部分を記載してもらったのですが、人によって粒度のばらつきもあったため、もう少し丁寧に説明する場を設けても良かったかもしれないと感じました
- 本当にタイムライン振り返りによって学びを共有できたのかは考える余地がある
- チームの次のアクションを出すことはできたが、チーム全員の時間を利用して振り返る必要があったのかは考える必要がありそうです
当事者間で次のアクションを出し、それをチームに共有するというやり方でも一定の効果はありそうに思い、毎回この方式にするかはプロジェクトごとに検討の余地があると感じました
- チームの次のアクションを出すことはできたが、チーム全員の時間を利用して振り返る必要があったのかは考える必要がありそうです
まとめ
今回はタイムライン振り返りを行い、プロジェクトに関わっていないメンバーとも学びを共有した話を紹介しました。 目の前の課題と向き合いその都度開発をしていると見えなかった課題が、タイムライン振り返りのようにプロジェクト全体の流れを通して振り返ることで見えてくることもあるかと思います。 今回はプロジェクト外のチームメンバーと共有するためでしたが、ある程度の開発期間があるプロジェクトでは有効な振り返り手法かと思うのでぜひ今後プロジェクトの振り返りを行う予定の方はご検討ください!
最後に
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