
こんにちは。アソビューのデザインリードを担当している山中です。
私が若い頃、
「明日までに、このバナーの型でテキストを変えた100パターンぐらい作って欲しい」
という依頼が月に1回ぐらいはありました。その日は徹夜確定でした。
ですが、いまならそんな依頼がきても大丈夫です!時代は変わりました。
2025年5月のFigma Configで、Figmaから新しいプロダクト、Figma Buzzが発表されました。
www.figma.com
Figma Buzzには、テンプレートとCSVを組み合わせて、数百パターン以上を一括で生成できる機能があります。この機能をうまく利用することでスピードと質を担保できるようになります。
Figma Config 2025で発表された内容は下記にまとまっています。 www.figma.com
- Figma Buzzとは?なにができる?
- なぜFigma Buzzが良いのか?
- Figmaプロダクトとチームの連携
- Figma BuzzのBulk create(一括で作成)を利用して、量産するやりかた
- Figma Buzzのおしいポイント
- まとめ
Figma Buzzとは?なにができる?
手軽にビジュアルコンテンツを作成できるツールです。
テンプレートベースの編集、AIによる画像生成、スプレッドシートとの連携による一括編集など、Web広告バナー、SNS向けのビジュアルコンテンツ制作を効率化する機能が豊富に用意されています。
※Figma Buzzでは各ビジュアルや各ページを「アセット」と呼んでいます。
Figma Buzzは、ファイルを作成すると、最初にテンプレート選択が表示されて、用途に応じたテンプレートやサイズを選ぶことが可能です。

テンプレートを選んだあとでも、ツールバーから縦横のサイズの変更が可能です。

用途に見合ったテンプレートを選択し、用途に応じた縦横サイズを指定し、テキストや画像を変更すれば、ビジュアルコンテンツの完成です。とてもかんたんで完成までのスピードがはやいです。
ライブラリも用意されているので、イラストやアイコンなどを追加することも可能です。

利用できるプラン、制限
2025年7月現在ではβ版で、無料で利用が可能です。
テンプレートの公開は有料プランでのみ利用が可能で、プロフェッショナルプランは5つまでチームテンプレートが作成できます。
なぜFigma Buzzが良いのか?
私が思うFigma Buzzの強みは、ビジュアルコンテンツを作成する際、
「ガイドラインを崩さずに量産が可能」
という点です。
ほかにも、テンプレートやライブラリが豊富な点も手軽にビジュアルコンテンツを作成に役立つので良いです。もちろん、Figma Designとの連携もスムーズです。
Figmaプロダクトとチームの連携
Figma Buzzは、デザイナーのためだけのプロダクトではありません。
マーケター、運用チームも一緒になって利用していくことを前提に考え作られています。
いままでは、Figma Designでテンプレートデータをデザイナーがつくり、そのテンプレートデータを各々がコピーや画像を変更していました。
これには欠点がいくつかあります。
- デザイナー以外もテンプレートデータを扱えるので、データが壊れる
- レイヤー構造が複雑で変更に時間がかかる
- とくに画像のレイヤーにワンクリックでは選択ができない
- 操作方法を学ぶ時間が必要
- 担当が変わるとその都度操作方法を伝えなくてはならない
などなど、すぐにガイドラインが崩壊したり、業務生産性が低いことがあたりまえでした。
現状、アソビュー社も上記と同様ですが、Figma Buzzの登場でそれぞれの役割を下記のように変えていこうと少しずつ動いています。
- デザイナー
- Figma Designでテンプレートを作成
- ガイドラインやルールづくり、ブランド管理
- マーケターや運用チーム
- Figma Buzzで、コピーや画像を差し替え、量産
- 依頼するだけでなく、アウトプットづくり
このように協業すると、それぞれの役割の強みに集中できて業務生産性が向上すると考えています。
Figma BuzzのBulk create(一括で作成)を利用して、量産するやりかた
ここからは、Figma Buzzでよく使われるであろうBulk create(一括で作成)を利用して量産する方法を紹介していきます。
用意するものは2つです。
- テンプレートデータ
- コピーや画像が含まれる .csvまたは .xlsxファイル
テンプレートデータ作成
わかりやすいように、コピーと画像、その他の要素を含んだデータを用意しました。

Googleスプレッドシートで差し込みデータ作成
画像を差し込みデータに含める場合は、.xlsxファイルで出力します。
最初の行は、フィールドの名前を入れてください。

差し込みデータは画像のように対応します。

Bulk create(一括で作成)で量産
サイドバーの1番下にある「Bulk create(一括で作成)」ボタンを押し、出力した .xlsxファイルを選択します。
「Connect data(データを接続)」にカラム名が表示されるので、適用したいレイアウト上のテキストや画像を選択後に、適用するカラムを選択します。
選択後に「Create n assets(n件のアセットを作成する)」ボタンを押します。

このように、Googleスプレッドシートの差し込みデータを反映したアセットが爆速で作成されます。

アセットを画像データとして出力する場合は、右上の「Export(エクスポート)」ボタンを押します。

このように、Figma BuzzのBulk create機能を利用すれば、デザインガイドラインを崩さずに量産が可能となります。量産後に、カーニングやフォントサイズ調整も可能なので、コピーに応じて最終調整できるところが嬉しいポイントです。
なお、コピー作成には、生成AIを活用するとより高速化します。
Figma Buzzのおしいポイント
現時点(2025年7月末現在)で「Bulk create(一括で作成)」のわかっているおしいポイントを記載しておきます。
- 量産すると同時にアセット名が変更できない
- 基となるアセット名に番号が付与される
- 「hoge」の場合、「hoge 1」「hoge 2」「hoge 3」
- 都道府県別のファイルを量産する場合は、量産後にアセット名を変更してからExportする手間がでてくる
- アセット名も .csvまたは .xlsxファイルから読み込ませたい
- インストールされているフォントでのみ量産が可能
- デザイナー、マーケや運用担当のmac、winにインストールしてあるフォント
- フォントがないと、編集及びBulk createできない
- カーニングは別で作業が必要
まとめ
今回は、Figma Buzzを利用して、チームで協業して各々の強みをより活かし業務生産性を高める方法を紹介しました。デザインとデータの役割が明確になり、業務の進め方にも変化が起きそうです。
まだ発表されたばかりのプロダクトなので、とっつきにくい部分もあると思いますが、時間をつくって触ってみて、業務で活用できるようなレベルにしていきたいです。
アソビューでは一緒に働くメンバーを大募集しています! カジュアル面談もありますので、少しでも興味があればお気軽にご応募いただければと思います!