こちらの記事は、アソビュー! Advent Calendar 2024の22日目(表面)です。
1.はじめに
エンジニアの山本です。もうすぐクリスマスですね! 冬のおすすめお出かけスポットは東京メガイルミです!去年家族で行って子供達が走り回って楽しんでいたので今年も行きたいなと思っています!
今回は以前リーダーを務めていた、セッションを増やす(訪問客を増やす)というミッションを持った開発チームで行った「アウトカムを意識する」取り組みについてお話ししたいと思います。
背景
近年、業界全体で「アウトプット」ではなく「アウトカム」に注目が集まっています。従来は、プロジェクトの成果物を完成させることに重点が置かれがちでしたが、今ではその結果として得られる影響や効果が重要視されています。特にシステムエンジニアにとって、単にコードをリリースすることだけでなく、その後の「成果」や「効果」に意識を向けることが求められています。
私はチームメンバーとの1on1などでコミュニケーションをとる際に何が日々のモチベーションとなり仕事をしているかを最初に必ず聞いていました。そこでメンバーから挙げられた主なモチベーション要因は以下の通りです。
- 自分の開発したものが感謝されること
- 売上やユーザー体験に貢献すること
- 技術的に挑戦したい課題を解決すること
そこで、『アウトカム』を意識することでチームのモチベーションと生産性が向上すると考え、今回の取り組みを始めました。
目的
本記事では、私たちのチームが行った具体的な取り組みを紹介します。その中で、どのように「アウトカム」を意識した施策を実行したのかを振り返りたいと思います。
2. アウトカムとは何か?
定義
「アウトプット」と「アウトカム」の違いについて簡単に触れます。アウトプットとは、完成したコードやリリースされた機能などの目に見える成果物を指します。一方、アウトカムは、アウトプットがもたらす実際の成果や影響を指します。例えば、売上増加やユーザーの満足度向上やリピート率を意味します。 システムエンジニアは『リリースして終わり』ではなく、その後の結果(アウトカム)に焦点を当てることが重要です。リリースした機能がどのようにユーザーの行動を変え、どのような影響を与えたのかを追うことが、次の改善や成果につながります。
システムエンジニアの文脈での重要性
システム開発は、単なる「作業」ではなく、ビジネスの成長に貢献することが求められています。 そのため、アウトカムを意識して開発を進めることが、システムエンジニアにとっての成長と、チーム全体の成果を最大化する鍵となります。
3. チームで取り組んだこと
具体的な取り組み内容
私たちのチームでは、セッションを増やすためSEO施策を中心に開発を進めています。 施策リリース後の効果を定量的に追う仕組みを導入しました。具体的には、以下のような取り組みを行いました。
「データを見る会」の開催
定期的に、リリースした機能や施策がどのようにビジネスに影響を与えているかをチームで振り返る「データを見る会」を開催しました。例えば、BIツールやヒートマップツールを用いてユーザーの行動を分析し、どの部分が効果的だったのかをチーム全員で共有しました。
例として、新しいオプション機能を追加した際には、その機能経由の売上推移やオプションが適用されやすい商品の傾向をBIツールで可視化しました。また、新しい画面を作成した際はヒートマップツールでどこがクリックされるのか、ゲストがどの様な導線で回遊しているのかを見てみました。
SEO担当者からの解説
SEO施策がどのように検索エンジンの順位に影響を与え、サイトへのトラフィックがどう変化したのかを社内のSEO担当者から直接解説してもらう機会も設けました。これにより、エンジニアがビジネス目標との関連を理解しやすくなりました。
画面リニューアル後、特定キーワードの検索順位が向上したか、ヒットするキーワードが増えたかなどを確認しました。 また、SEOの基礎知識なども合わせて教えていただき学びも多かったです。
4. 得られた成果と学び
実際に得られた成果
SEO対策に関する知識の習得
SEO施策の効果を実際にデータで見ることで、SEOの重要性を実感し、エンジニアとしての知識の幅が広がりました。今後の開発においてもSEOを意識した設計が可能となりました。
エンジニアのモチベーション向上
アウトカムが可視化されることで、チーム全体のモチベーションが向上しました。リリース後の成果が明確にフィードバックされることで、エンジニアたちが自分たちの努力がどれだけビジネスに貢献しているかを実感できたからです。
学んだこと
本質を理解する重要性
成果を意識することで、施策の必要性や解決すべき問題の本質をより深く理解する姿勢が生まれます。これにより、無駄な作業を減らし、より効果的な開発ができるようになりました。
また、プロダクトオーナーの指示をそのまま受けるのではなくゲストに早く施策を届け売り上げに貢献するにはどうしたら良いか(MVPの観点からフェーズを分けた方がいいなど)、他に良い実現方法はないかなどを主体的に考えエンジニアから提案していくことができる様になりました。
数値で示せる成果の重要性
数値化された成果はチーム全体の一体感を高め、個々の貢献を明確にします。これがチームとしての成功を促進する大きな要素であることを実感しました。
5. 取り組みを継続するために
今後の課題
定性的なフィードバックの活用
数値で示せるアウトカムだけでなく、ユーザーからの定性的なフィードバックも重要です。今後は、ユーザーインタビューやアンケートなどを通じて、ユーザーの声をより多く取り入れ、改善点を見つけていきたいと考えています。
短期的な改善と長期的な成果のバランス
アウトカムを追いながらも、長期的なビジョンに基づいた改善を進めていく必要があります。短期的な成果を追い求めすぎて、長期的な戦略を見失わないようにすることが今後の課題です。
次のステップ
今後は、マーケティングチームや営業チームとの連携を強化し、さらに大きなアウトカムを目指していきたいです。エンジニアとして、ビジネス全体に対する貢献を意識しながら、他の部署との連携を深めていくことが次のステップです。
6. まとめ
リリースが持つビジネスインパクトを追い、その結果を評価することは、エンジニア個人やチームにとって成長の大きな機会となります。アウトカムを意識した開発を進めることで、よりゲストに価値を提供し成長させることができます。 私がリーダー1年目として行った取り組みにはまだ課題多くはありますが、本記事が同様の取り組みを検討されている方々の参考になれば幸いです。
アソビューでは、「生きるに、遊びを。」を実現するための良いプロダクトを世の中に届けられるよう共に挑戦していく様々なエンジニアを随時募集しています! カジュアル面談も可能ですのでお気軽にお問い合わせを!