この記事は、アソビュー Advent Calendar 2025の2日目(裏面)です。
こんにちは。アソビューでデザインリードを担当している山中です。
資料作成をしている方、こんなお悩みありませんか?
「なんか見づらいしわかりづらい資料だな、けどどこを改善すればいいのかわからない。センスないなー」
そのように思っている方々は、「デザインの4つの基本原則」を学ぶだけでも、そのお悩みが解決し誰にでもわかりやすい資料を作ることができるようになります!
デザインは「センスが必要」と思われがちですが、実は違います。デザインの4つの基本原則を理解し実践するだけでも、いま悩みながら作成している資料は見違えるようにわかりやすく伝わる資料になります。
本記事では、ロビン・ウィリアムズ氏の著書『ノンデザイナーズ・デザインブック』から、「デザインの4つの基本原則」に焦点を当て、資料作成における応用方法を解説します。
『ノンデザイナーズ・デザインブック』は、1998年3月の初版以来、約90刷を重ね、約25年間支持され続けるデザインの基本書として、時代を超えて普遍的な「原則」を確立しています。
- 「デザインの4つの基本原則」とは?なぜ必要?
- 1. 近接(Proximity):関連する項目をまとめてグループ化する
- 2. 整列(Alignment):要素と要素を意識的に配置する
- 3. 反復(Repetition):要素を繰り返し、一貫性をだす
- 4. 対比(Contrast):異なる要素の間に組織的な階層構造を作りだす
- まとめ
「デザインの4つの基本原則」とは?なぜ必要?
資料の中で使われるデザインの役割は、「資料の中の情報を正確に、効果的に伝える」ことです。

「近接」「整列」「反復」「対比」がデザインの4つの基本原則です。
これら4つの基本原則は、情報を認識する際の心理に基づいています。
基本原則を無視して作成された資料は、内容が良くてもわかりにくいと感じさせてしまい、結果として伝わらない。という結果に繋がりやすくなります。
4つの基本原則を別々に解説していきますが、組み合わせて活用するものです。近接だけ使えばいい、ではなく「4つ全てが組み合わさって初めて機能する」ものです。
イメージしやすく言い換えると、4つの基本原則は「4人のチーム」だと考えてください。 誰か一人が欠けるとチームワークは乱れますが、4人が連携すれば最強の力を発揮します。
1. 近接(Proximity):関連する項目をまとめてグループ化する

近接とは「関連する項目をまとめてグループ化すること」です。
タイトル、リード文、本文、表や画像などの資料の構成要素は、何かしらの関係性が必ずあります。画像の説明文は画像の近くにあるべき、といった感じです。

「近接」を活用することのメリット
- 情報を素早く理解できる
- 整理によりストレス(労力)を感じにくい
- 必要な情報を容易に見つけられる
具体例で比較してみましょう

近接が不足しているデザインだと、情報を探すのに時間がかかり、その時点で興味がなくなり見なくなります。 近接を意識することで、情報のまとまり、どこを見ればいいか即時に理解でき、ストレスなく情報を理解できます。
2. 整列(Alignment):要素と要素を意識的に配置する

整列とは「要素を揃えること」です。
一般的に、整理され並べられたものに安心感を感じ、信頼性の高い印象を与えます。 整列は資料全体に統一感、安心感をもたらし、視線の流れが自然に誘導されるため可読性も向上します。

「整列」を活用することのメリット
- 視線誘導がスムーズになる
- 情報の優先度が伝わりやすい
- 統一感が生まれ、洗練されたデザインに感じる
各要素が適当に配置されていると、資料の内容が良くても、悪い印象を与えてしまう可能性があります。
具体例で比較してみましょう

見出しやアイコン、文字の位置が揃っていないと、非常に読みづらく「雑な資料だ、信用できない」などの印象を与えてしまいます。整列を意識することで、統一感があり信頼性のある見た目になります。
3. 反復(Repetition):要素を繰り返し、一貫性をだす

反復とは「同じ要素を繰り返すこと」です。
同じ色、図形、書体などを繰り返し使用することで、特定の要素、情報のカテゴリや重要度を認識しやすくなります。

「反復」を活用することのメリット
- 視覚的な一貫性により読みやすい
- ブランドイメージの浸透と認知拡大(全ページのヘッダーにロゴなど)
具体例で比較してみましょう

反復は、1枚のスライドだけでなく、資料全体で意識的にデザイン要素を繰り返すことで全体の統一感が生まれ、読みやすい資料になります。
スライドが変わるたびに新しいデザインルールを設けてしまうと、そのルールを読み解かないとならないため、まとまりがない印象になります。
4. 対比(Contrast):異なる要素の間に組織的な階層構造を作りだす

対比とは「要素の優先度を明確化すること」です。
資料には様々な重要度の情報が混在しています。各要素にデザインに強弱(メリハリ)をつけ情報の優先度を視覚的に伝えることで、重要な情報が強調されどの要素に着目すれば良いのか、直感的に把握しやすくなります。

「対比」を活用することのメリット
- 情報の優先度の整理
- 明確な強弱がうまれ、読み手の視線が重要な部分へと惹きつける
具体例で比較してみましょう

要素の優先度によってデザインに強弱をつけることで、伝えたい情報に視線を集めることが可能です。
まとめ
資料作成における、「デザインの4つの基本原則」を紹介しました。
内容をまとめると、以下になります。
- デザインの4つの基本原則は、デザインの基本でチームワークが大事
- 近接は、「関連する項目をまとめてグループ化すること」
- 整列は、「要素を揃えること」
- 反復は、「同じ要素を繰り返すこと」
- 対比は、「要素の優先度を明確化すること」
基本原則は4つありますが、行いたいことはどれも「資料を読み手に伝わりやすくする」です。
そして、冒頭でもお伝えしましたが、「4人のチーム」です。4人が連携して最強の力を発揮しましょう。
いままでなんとなく作っていたデザインも、これからは論理的な思考に基づいてつくることができると思いますので、今回の例を参考に取り入れてみてください。
アソビューではデザイナーだけでなくいろいろな方々がデザインを作っています。日々改善を繰り返してはいますが、今回紹介した「デザインの4つの基本原則」に基づいて改善ができそうな部分がまだまだあります。
加えて、アソビューのデザインシステムも再構築していく予定です。もし興味があれば一緒につくっていきましょう!カジュアル面談もありますので、少しでも興味があればお気軽にご応募いただければと思います!