この記事は アソビュー! Advent Calendar 2025の18日目(表面)です。

「こ、ここは...!」
はじめに
こんにちは!アソビューで技術広報とバックエンドエンジニアをしている@KHaggarです!
今回は、エンジニアとしてプロダクト開発に携わっている私が、山の麓まで現地納品に同行した体験談を共有したいと思います。
トピックが少し特殊で突発的かもしれませんが、私自身も突発的に起きた体験でしたので、同じスピード感をもってお伝えできればと思います!
背景:現地納品同行に至るまで
アソビューでは、全国各地の遊び・体験・レジャー施設と提携し、オンラインで予約・購入できるサービスを提供しています。
その他にも、施設様向けに現地で利用される発券端末やサイネージの提供・保守も、案件によっては対応しています。
今回私の開発チームで対応したのも、そんなサイネージ開発でした。

今回は蔵王ロープウェイ様からのご依頼で、ロープウェイの山麓駅に設置されるサイネージを開発する予定になっていました。
アソビューのAPIから各種情報を提供・連携してサイネージに表示することで、ロープウェイ利用者に現地でいつでも情報を確認してもらえるようにすることが目的です。
開発自体は順調に進行し、施設様に確認いただける段階まで来ていました。
そんな折、チームメンバーとの1on1で
「KHaggarさんって蔵王から近いところに住んでいるんですね〜」
という話が上がりました。
そう、私は東北在住のリモートエンジニアだったのです。
以前の記事でもお伝えしたとおり、アソビューは事業部制となりました。
それに伴って出社機会も増えましたが、エンジニアはリモート勤務も引き続き可能で、私もリモート勤務と出社を併用しています。
そのような状況で「現地納品に同行できたら貴重な体験になって面白いかもしれませんね」というふとした会話から、トントン拍子で気が付けば数日のうちに現地同行が決定していました。
「え、はやっ!!」
そう、アソビューは開発も意思決定もスピーディーなのです。
ちなみに蔵王自体は近いのですが、ロープウェイのある場所までは結果的にバイクで2時間近くかかりました(全然近くない)。
同行当日
アソビューに入社して初めての施設様への出張。緊張からか家の鍵を忘れかける個人的なハプニングもありましたが、無事に蔵王ロープウェイ山麓駅に到着しました。
途中の高速道路も凍てつくほどの寒さでしたが、現地はさらに冬の気配が漂っており、スキーシーズンより1ヶ月以上前にもかかわらず、山の麓は平地とは比べ物にならない寒さでした。
蔵王ロープウェイ様のご担当者様にご挨拶した折にも、
「路面、今日は凍ってませんでした?」
という会話が出るほどです(この寒さがあるからこそ、雪国の温泉は人気なんですよね)。
そんな中、ご担当者様との商談が終わった後に早速サイネージの確認作業に取り掛かりました。
サイネージの確認
まずは実際に施設を訪れた観光客の気分になって、入り口からサイネージを確認します。

(文字、小さいか...?)
実際に設置されたサイネージを確認すると、思っていたよりも文字が小さく感じました。
それもそのはず、我々開発者は普段PCで成果物を確認しています。
「並んでいるときに大きなモニターで見てくれるのかな?」と思いながら開発を進めることはできます。
しかし、実際のサイネージの大きさも分からなければ、設置する環境で訪れた観光客の方々からの見え方も完全に想像するには至っていなかったのです。

現時点では発券機の側で立って、ようやく全ての文字が読めるかな?という印象でした。
しかし、実際にロープウェイを利用する観光客の方々は待機列を形成し、発券機から少し離れた場所からサイネージを見ることになるとのお話。
これでは確認したいときに情報が伝わらない可能性が高いと感じました。
そこで、ご担当者様と相談の上でフォントサイズを大きくすることに決まりました。
その他、文言の調整やお知らせ情報の表示についてもフィードバックをいただきました。
発券機の確認
これだけでは終わりません。
折角現地に来たのだからと、サイネージ確認の他にも発券機の設定変更も見学させていただきました。

アソビューでは主にQRコードを使った電子チケットを提供していますが、こちらに設置されているのは紙のチケットを発券するタイプの発券機です。
これは、アソビューのQRコードをスキャンしてもらうことで紙のチケットが発券される仕組みになっており、施設様との商談を重ねて実現したものです。
スキー場におけるロープウェイでは、訪れる観光客の方々は全身防寒着を着用しており、スマートフォンの操作がしづらい場合も多いとのこと。
また、蔵王ロープウェイは複数の乗車区間があり、乗車券の種類によって利用できる区間が異なります。
混雑時にはお客様が利用可能な区間を一目で確認し、スムーズに乗り降りできる体制も求められます。
そこで、紙のチケットをQRで発券することでデータ集計は可能にしつつ要件を満たし、スムーズにロープウェイを利用してもらえるようになっています。

そんな発券機の設定はリモートで実施できるものもありますが、今回は現地で直接操作する必要があり、その方法を学ばせていただきました。
ちなみに発券機の中も拝見させていただいたのですが、中にはヒーターが設置されており、ここでも寒冷地ならではの工夫を垣間見ることができました。
現地納品を終えて
現地での作業や確認を終えた後、夜が訪れる前に足早に蔵王を後にしました。
(雪国の夜は早く、あっという間に辺りは静寂と寒さに包まれてしまうのです...)
自宅に戻った後、チームメンバーに今回の現地納品同行で得た学びとフィードバックを共有しました。
開発者が実際に施設に足を運ぶ機会は稀なので、チームメンバーも興味津々で耳を傾けてくれました。
この記事を執筆している時点でフィードバックを基にした修正は完了しており、スピード感を持って開発いただいたチームメンバーには本当に感謝しています。
私自身も、普段コードを書いて機能を実現するだけでなく、その機能が現地でどう使われ、誰の役に立っているのかを肌で感じられたのは大きな刺激となりました。
ゲストやパートナー様と同じ目線に立って、現地オペレーションを深く理解すること。
それは「なぜこの機能が必要なのか」「どうすればもっと良い体験を届けられるのか」という解像度を格段に上げ、アソビューの開発者としての視座を高めてくれるのだと実感しました。
まとめ
今回の現地納品同行を通じて、実際に施設様の現場に足を運び、プロダクトを確認することの重要性を改めて実感しました。
現場からの生のフィードバックは、プロダクト改善に直結する重要な示唆に満ちています。
机上の議論だけでは掬えなかった、経験に基づく具体的な改善点を発見し、即座に修正・対応する。
これはプロダクト開発の質を数段引き上げ、結果として大きなやりがいと信頼にも繋がると感じました。
また、遠方在住のリモートエンジニアであるが故に地元の身近な施設様へ直接足を運び、自分たちが開発したシステムが利用されている様子を目撃できたことは、私にとって非常に意義深い経験となりました。
地理的な制約や枠組みを超えて、「生きるに、遊びを。」というミッションのもと、全国各地の施設様と利用者の方々に価値を提供できている!という強い実感が湧いたのです。
エンジニア自身が、プロダクトが使われる現場を深く知ろうとする。
この「距離の近さ」こそ、事業部制となった今のアソビューが大切にしている姿勢です。
私たちはこの先もより良い体験・価値を提供するために、働く環境も、プロダクトへの向き合い方も、進化していきたいと考えています。
最後に
蔵王ロープウェイ様、この度は貴重な機会をいただき誠にありがとうございました!
ロープウェイは勿論、冬の蔵王はスキーや温泉など魅力が満載ですので、皆様もぜひ訪れてみてください!
アソビューでは「生きるに、遊びを。」をミッションに、より良いプロダクトを世の中に届けられるようこれからも挑戦を続けていきます!
一緒に働くメンバーも募集していますので、ご興味がありましたらまずはカジュアル面談からお気軽にご応募ください!